みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

まさかの アポ電詐欺  その2

   なぜ ホテル避難なの ?

 

とりあえずリュックと大きな手さげ袋を出したが、何を入れたらよいか考えられない。ともかく洗濯物を干さないと…。まもなく警官が2人到着した。

「今が一番危険なんだ。最低3泊4日は避難してもらわなくてはならないが、近くに宿泊できる知人はいる?」 「遠方ならいるけど・・・」

「遠方までは車で送れないので、ホテルに泊まってもらいます」。警官はホテルに電話をし、空き状況を聞き始めた。最初のホテルは宿泊料金が高い。空室なしだったのでほっとする。次に電話した東横インは空室があり、3泊4日で朝食付20,020円というのでOKした。

しかし、急に避難しろといわれても。3泊4日家を空けるとなると、可燃ゴミは週2回収集なので、生ゴミは袋の口を縛り、冷凍庫に入れて置くことにした。警官は持って行く荷物を決められないでいる私を見て、腕時計を何度も見ている。

警官が重い方の荷物を持ってくれて、乗用車に乗る。警官は私服で、車もパトカーでなく黒っぽい地味な車だ。一瞬「本当の警官か」と疑いたくなったが、私が警察署に電話をし、駆けつけてくれたのだから本物のはず。後に、警官を疑った事を話すと「その位で丁度いいと思いますよ」と言った。

 

銀行の通帳を止める前に、ATMの前で車を止めてもらい、ホテル宿泊費などお金を下ろす。この時点で預金通帳から、詐欺によるお金は引き出されていないのがわかった。

ホテルに到着し、3泊4日の宿泊料金を前払いする。警官は4日目の朝にホテルまで迎えに来るという。そしてこの間、わが自宅のあるコンクリート長屋を巡回して警戒するとのこと。

「ベランダの植木に水やりとポストを見に、ちょっとだけ帰ってもいいかしら」。しかし警官はにべもなく言った。「これまでは電話のやりとりだから顔を見られていないが、顔を覚えられ、手荒な行動に出られたら大変だ。絶対自宅に近寄ってはだめだ」

 

  ホテル生活一日目

 

ホテル東横インは、はじめての利用だ。建ったばかりの清潔な感じのホテルで、客室もロビーもコンパクトで合理的に配置されていて過ごしやすそう。

ホテルの部屋で一人になり、目まぐるしかった一日を思い返す。アポ電詐欺というのも初耳なら、なぜホテルに避難するのか意味もわからず、頭の中が整理できない。

「30分後にまた電話します」と言った銀行協会を名のる若い男は、結局電話をかけてこなかった。口座番号と暗証番号がわかっても、カードか通帳がなければおろすことはできない。預金残高が少ないのであきらめたのか。さわやかな声と話し方がまだ耳に残っている。詐欺グループに入るような人間とは思えないが。

それにしてもなぜ「最低3泊4日宿泊」なのか。ホテルでは朝食のみなので、昼と夕食の分を、行きつけの食料店まで歩いて買いに行く。そのたびに顔なじみのスタッフが「ホテルに滞在させるなんて、警官もグルなんじゃないの。本当に警察官なの?」と心配し、中には警察署に「なぜホテルに避難させるのですか。警官もグルなんじゃありませんか」と電話を入れた人までいた。

明日、担当の警官に電話で詳しく聞いてみることにしよう。自分に言い聞かせ、ベッドに横になり眠りについた。