みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

まさかの アポ電詐欺 その4

   アポ電詐欺 アポ電強盗へ

自宅に戻ってから、ネットで「アポ電詐欺」を検索する。NHKの「クローズアップ現代」で、” 追跡 アポ電強盗 ” を特集していた。何と、2017年3月の放送だった。番組を文字化し、写真や統計まで網羅されている。

アポ電被害者、アポ電強盗で逮捕された男、SNSで勧誘さグループグループに入った男など、様々な立場の人間に取材し、調査したしっかりした内容だ。

オレオレ詐欺から、手っとり早いアポ電詐欺へ移行するのはもう時間の問題だったのかも知れない。

詐欺の受け子が警察に検挙されて人数が減ったので、SNSで募集すると大勢集まる。オレオレ詐欺グループでは面接して知り合いの紹介というふうに仲間内でやっていたのが、SNSで集まった者の中には、借金しまくりせっぱ詰まって何でもやるという者やあきらかにチンピラだった者など暴力でも何でもやる者も入ってきた。

被害にあった男性は何度も殴られた上でお金を奪われ、同居していた女性は、足を切りつけられ大ケガをしたという。

 

東京江東区で女性が殺害された事件では、女性の家に週3日ホームヘルパーが来ることになっていたが、強盗に押し入られたのは、その合間を縫った時間帯だった。

つまり犯人グループは、お金があるというだけでなく、女性の生活実態まで把握していた可能性がある。実際に実行犯と見られる男らが下見をしている様子も防犯カメラに映っていた。

武田キャスターの「私も独り暮らしの親を持つ身として、体に震えが来るような怖さと怒りを感じます」という言葉に、うなづくしかない。

恐ろしいのは周到に準備し、一度狙われたら逃れられないという所に怖さがある。

私がこの「クローズアップ現代」” 追跡 アポ電強盗 ” を見ていたら、詐欺電話に個人情報を話さずに済んだかも。

 

  番組であげている注意点

 

・個人情報が出回っているという前提で、自分の家にもアポ電はかかってくるという危機感を持つことが大切。

・見知らぬ番号からの電話には出ない。

・怪しいと思ったらは思いきって切る。

・少しでも詐欺グループと話してしまうと、ささいな情報でも利用されかねない。

同じNHKでも、夕方の6時40分台に放送されるコンパクトにまとめた「ストップ詐欺被害 わたしはだまされない」を見ている人は多いが、「クローズアップ現代」は夜9時台の放送で、硬派の30分番組だ。社会問題に関心を持つ人以外見なかったのではないか。

ニュースで独り暮らしの高齢者が、お金を奪われて殺されたことは知っても、アポ電強盗や、その実態について、私の周囲のほとんどの人は知らない。私が見逃したのは、娘を亡くした時期で心身的に余裕のない時期だったせいもあるが。

 

 NHKに望むこと

 

NHKは視聴者の払う受信料と公費で成り立つ放送局だ。台風や大雨、災害などの危険が迫るときは、放送中の番組を中断し、災害情報を伝え、緊急避難を繰り返し呼びかける。

アポ電強盗など、高齢者や弱い立場の人が命の危険にさらされる状況があるのだから、手口や実態を広く知らせ、注意を喚起してほしい。「クローズアップ現代」のように夜遅い時間帯ばかりではなく、多くの人がテレビの前に座る夕方や午後7時の定時ニュースで、またはその前後に放送すれば、被害も減るのではないか。

これからの日本を築く若者がコロナ禍で職を失い、住むところもなくなると、自殺するか、犯罪に向かってしまう。若者の絶望と生きずらさに寄り添い、その構造的な仕組みを変えないと、日本の国の底が抜けてしまう。

このような社会しか残せなかった私たち大人の責任でもあり、政治の解決すべき課題だ。セキュリティの完備した邸宅に住み、ボデイガードに守られている政府の要人や富裕層は少なくともアポ電強盗に襲われることはないだろうし、独り暮らし高齢者の不安もわからないだろう。

 

おわりに

「インターネットをはじめ、この世は詐欺に満ちている」という心境で、今更ながら愕然としています。何が本当なのか。だまされていないか見極めるのはむずかしい。

アポ電詐欺に遭遇して知ったこと、わかったことをまとめてみました。身近な友達に手渡したら、もっと回してほしいと言われて、両面印刷して配るはめに。