みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

昭和前期 何が魔法をかけたのか 

先日、NHK教育テレビETV特集で、1986年に放映された司馬遼太郎の雑談「昭和への道」第一回 何が魔法をかけたのか をみる。

大正12年生まれの司馬遼太郎は、学徒動員で満州に出征した体験を経て敗戦を迎える。ノモンハン、中国侵略、太平洋戦争に突入した昭和の初期から敗戦までを、魔法の森だったと語る。なぜあんなくだらない戦争を起こしたのか。という司馬遼太郎の憤激は物心ついた頃から青春時代までを戦争にからめとられ、兵隊として戦場に行った体験によるものだろう。何が魔法をかけたのか の元凶を参謀や官僚、「統帥権」に見る。

幕末から明治時代にかけての尊王攘夷思想というものは、中国の宋の時代に出来上がった思想だと話していた。私は日本独自の思想のように思っていたので意外だった。
昭和前期と違い、明治は輝ける時代とする司馬史観。たしかに幕末から明治時代にかけて、すばらしい人材を輩出し、時代はがらりと変わったと思う。でも私は自由民権運動の弾圧や教育勅語の制定に昭和の狂気に至る前兆を嗅ぎ取ってしまうのだが。
今月末からTVドラマ「坂の上の雲」が始まる。明るく希望に満ちた幕末から明治の世が、なぜ魔法の森の昭和に至るのか、を知りたいと思う。