みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

寒い夜はけんちん汁

アハハの大根

小春日和が続いた後に、北風がぴゅーぴゅー急に寒くなった。

こんな日はけんちん汁で温まることにしよう。

今日は隣町の農協に材料の買い出しに行ってみた。

レジの脇になぜか、おかしな形の大根が並んで置いてある。             

                    

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「どうすればこんな変な大根ができるの?」とレジの若いおニイちゃんに聞いた。

「たい肥とか肥料によって、大根が避けて、こんな形に成長するらしい」と、自信なさそうに答えた。フツーの形の大根よりも安いし、中身は同じという。私の前に並んでいた女性に続いて私もおかしな大根を買った。

 

里芋と大根、ハス、人参、シメジ、鶏ムネ肉、豆腐、油揚げ。鶏ムネ肉は鶏ハムにしてそのだし汁を使う。ゴボウはなかったので省略。野菜を切って、油で炒める。5分ほど煮て味付けして、保温調理の袋(器)に入れるだけ。この保温調理の器に入れて放って置くと、けんちん汁が出来上がる。

戦争中は燃料がないので、煮物などは鍋を毛布などにくるんで余熱で調理したらしい。煮物などは加熱し続けるよりも、余熱で調理すると味がしみて美味しくなる。

アハハの大根も切ってみたら中身は普通の大根と同じでとてもおいしくできた。もちろん大根の葉は捨てずに、刻んで炒め煮にしましたよ。この大根葉の根元に近い茎の歯ごたえがくせになる。

これに炊きたての新米ご飯で、土井善晴さんの提唱している毎日の食事作りで悩まない「一汁一菜」。土井さんありがとう。

 

農家の庭先で買った菊               

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あなたは料理の神様です。とてもあたたまって幸せな気分。

アポ電詐欺 その後

  石川五右衛門さんに聞いてみな

 

アポ電詐欺さわぎから早や2ヶ月。警官に防犯対策を取るよういわれ電話番号を変えたら、売り込み電話や詐欺まがいの電話もかかってこなくなった。静かに暮らせてうれしい。普段は留守電にし、またドアにはセンサーライト(2千円ちょっと。ホームセンター、ニトリなどで販売してる)やドアホンカメラ(ネットで2万円以内で買える)をつけた。それほど費用もかからずに防犯対策ができそう。だが敵もさるもの、新たな手口を考えているだろう。油断は禁物じゃ。

前回ブログにも書いたが、夕方6時台のNHK「ストップ詐欺被害 私はだまされない」の知識で止まっている周囲の人たちに、「まさかのアポ電詐欺」というタイトルの、A4版、5ページの体験記を書いて配った。

詐欺を通り越して、命の危険にまで及ぶ強盗にまでエスカレートしている現実を知り、

離れて住む身内にも送りたいからコピーしていいかと聞かれた。

 

両面印刷のホッチキス止めをはずしてコピーするのも大変と思い、結局50部ほどプリンターで印刷し全部はけた。はてなブログでは反響がなかったが、シニアの人たちから「よくまとめましたね」と、ねぎらいと共感をいただいた。

 

近況を伝えるついでに地方に住む弟や妹にも送ったところ、一つ年下の弟から葉書が届いた。それに石川五右衛門の辞世の歌が引用されていた。

   石川や浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽き無し

      石川五右衛門の辞世の歌

 

石川五右衛門は安土桃山時代の大泥棒で、捕らえられて秀吉に釜茹での刑に処せられた。恐ろしい刑に処されようとも、盗賊や詐欺師はなくなりませんよ。ということを本当に五右衛門さんが詠んだかどうかは不明らしい。

若い頃旅先で五右衛門風呂しかない宿で、石川五右衛門の釜茹での話を思い出し、恐る恐る入った事を思い出した。

はてなブログ10周年特別お題「はてなブロガーに10の質問

ブログ名もしくはハンドルネームの由来は?

みち草 ハンドル名 河野 みち 散歩しながら土手や道端の雑草を摘むのが好き    

はてなブログを始めたきっかけは?

2004年、娘がはてなブログを勧め、設定と最初の入力をしてくれたのでそのまま使い続けている。

自分で書いたお気に入りの1記事はある?あるならどんな記事?

十数年前の自分の記事が新鮮で感動することがある。手応えのある記事が書けた時。

ブログを書きたくなるのはどんなとき?

これは書かなくちゃ、という現実にぶつかった時。

下書きに保存された記事は何記事? あるならどんなテーマの記事?

特に気にしていない

自分の記事を読み返すことはある?

2004年から書いているので、あまりに多すぎてめったに読み返さない。

好きなはてなブロガーは?

石黒敬太 親切で人が良いから

はてなブログに一言メッセージを伝えるなら?

10年前は何してた?

退職し、自分のライフワークである家族の歴史を江戸時代まで遡り調べて書くことに専念した。「なぜ祖父は学校長を辞めたのか」を上肢できた。

この10年を一言でまとめると?

年齢を重ねるごとに友達が増え、幸せを感じられるようになった。

まさかの アポ電詐欺 その5

  その5 アポ電詐欺 アポ電強盗へ

自宅に戻ってから、ネットで「アポ電詐欺」を検索する。NHKの「クローズアップ現代」で、” 追跡 アポ電強盗 ” を特集していた。何と、2017年3月の放送だった。番組を文字化し、写真や統計まで網羅されている。

アポ電被害者、アポ電強盗で逮捕された男、SNSで勧誘さグループグループに入った男など、様々な立場の人間に取材し、調査したしっかりした内容だ。

オレオレ詐欺から、手っとり早いアポ電詐欺へ移行するのはもう時間の問題だったのかも知れない。

詐欺の受け子が警察に検挙されて人数が減ったので、SNSで募集すると大勢集まる。オレオレ詐欺グループでは面接して知り合いの紹介というふうに仲間内でやっていたのが、SNSで集まった者の中には、借金しまくりせっぱ詰まって何でもやるという者やあきらかにチンピラだった者など暴力でも何でもやる者も入ってきた。

被害にあった男性は何度も殴られた上でお金を奪われ、同居していた女性は、足を切りつけられ大ケガをしたという。

 

東京江東区で女性が殺害された事件では、女性の家に週3日ホームヘルパーが来ることになっていたが、強盗に押し入られたのは、その合間を縫った時間帯だった。

つまり犯人グループは、お金があるというだけでなく、女性の生活実態まで把握していた可能性がある。実際に実行犯と見られる男らが下見をしている様子も防犯カメラに映っていた。

武田キャスターの「私も独り暮らしの親を持つ身として、体に震えが来るような怖さと怒りを感じます」という言葉に、うなづくしかない。

恐ろしいのは周到に準備し、一度狙われたら逃れられないという所に怖さがある。

私がこの「クローズアップ現代」” 追跡 アポ電強盗 ” を見ていたら、詐欺電話に個人情報を話さずに済んだかも。

 

  番組であげている注意点

 

・個人情報が出回っているという前提で、自分の家にもアポ電はかかってくるという危機感を持つことが大切。

・見知らぬ番号からの電話には出ない。

・怪しいと思ったらは思いきって切る。

・少しでも詐欺グループと話してしまうと、ささいな情報でも利用されかねない。

同じNHKでも、夕方の6時40分台に放送されるコンパクトにまとめた「ストップ詐欺被害 わたしはだまされない」を見ている人は多いが、「クローズアップ現代」は夜9時台の放送で、硬派の30分番組だ。社会問題に関心を持つ人以外見なかったのではないか。

ニュースで独り暮らしの高齢者が、お金を奪われて殺されたことは知っても、アポ電強盗や、その実態について、私の周囲のほとんどの人は知らない。私が見逃したのは、娘を亡くした時期で心身的に余裕のない時期だったせいもあるが。

 

 NHKに望むこと

NHKは視聴者の払う受信料と公費で成り立つ放送局だ。台風や大雨、災害などの危険が迫るときは、放送中の番組を中断し、災害情報を伝え、緊急避難を繰り返し呼びかける。

アポ電強盗など、高齢者や弱い立場の人が命の危険にさらされる状況があるのだから、手口や実態を広く知らせ、注意を喚起してほしい。「クローズアップ現代」のように夜遅い時間帯ばかりではなく、多くの人がテレビの前に座る夕方や午後7時の定時ニュースで、またはその前後に放送すれば、被害も減るのではないか。

これからの日本を築く若者がコロナ禍で職を失い、住むところもなくなると、自殺するか、犯罪に向かってしまう。若者の絶望と生きずらさに寄り添い、その構造的な仕組みを変えないと、日本の国の底が抜けてしまうのではないか。

このような社会しか残せなかった私たち大人の責任でもあり、政治の解決すべき課題だ。セキュリティの完備した邸宅に住み、ボデイガードに守られている政府の要人や富裕層は少なくともアポ電強盗に襲われることはないだろうし、独り暮らし高齢者の不安もわからないだろう。

 

おわりに

「インターネットをはじめ、この世は詐欺に満ちている」 今更ながら愕然としています。何が本当なのか。だまされていないか見極めるのはむずかしい。

アポ電詐欺に遭遇して知ったこと、わかったことをまとめてみました。友達に手渡したら、もっと回してほしいと言われて、両面印刷して配るはめに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかの アポ電詐欺 その4

   アポ電詐欺 アポ電強盗へ

自宅に戻ってから、ネットで「アポ電詐欺」を検索する。NHKの「クローズアップ現代」で、” 追跡 アポ電強盗 ” を特集していた。何と、2017年3月の放送だった。番組を文字化し、写真や統計まで網羅されている。

アポ電被害者、アポ電強盗で逮捕された男、SNSで勧誘さグループグループに入った男など、様々な立場の人間に取材し、調査したしっかりした内容だ。

オレオレ詐欺から、手っとり早いアポ電詐欺へ移行するのはもう時間の問題だったのかも知れない。

詐欺の受け子が警察に検挙されて人数が減ったので、SNSで募集すると大勢集まる。オレオレ詐欺グループでは面接して知り合いの紹介というふうに仲間内でやっていたのが、SNSで集まった者の中には、借金しまくりせっぱ詰まって何でもやるという者やあきらかにチンピラだった者など暴力でも何でもやる者も入ってきた。

被害にあった男性は何度も殴られた上でお金を奪われ、同居していた女性は、足を切りつけられ大ケガをしたという。

 

東京江東区で女性が殺害された事件では、女性の家に週3日ホームヘルパーが来ることになっていたが、強盗に押し入られたのは、その合間を縫った時間帯だった。

つまり犯人グループは、お金があるというだけでなく、女性の生活実態まで把握していた可能性がある。実際に実行犯と見られる男らが下見をしている様子も防犯カメラに映っていた。

武田キャスターの「私も独り暮らしの親を持つ身として、体に震えが来るような怖さと怒りを感じます」という言葉に、うなづくしかない。

恐ろしいのは周到に準備し、一度狙われたら逃れられないという所に怖さがある。

私がこの「クローズアップ現代」” 追跡 アポ電強盗 ” を見ていたら、詐欺電話に個人情報を話さずに済んだかも。

 

  番組であげている注意点

 

・個人情報が出回っているという前提で、自分の家にもアポ電はかかってくるという危機感を持つことが大切。

・見知らぬ番号からの電話には出ない。

・怪しいと思ったらは思いきって切る。

・少しでも詐欺グループと話してしまうと、ささいな情報でも利用されかねない。

同じNHKでも、夕方の6時40分台に放送されるコンパクトにまとめた「ストップ詐欺被害 わたしはだまされない」を見ている人は多いが、「クローズアップ現代」は夜9時台の放送で、硬派の30分番組だ。社会問題に関心を持つ人以外見なかったのではないか。

ニュースで独り暮らしの高齢者が、お金を奪われて殺されたことは知っても、アポ電強盗や、その実態について、私の周囲のほとんどの人は知らない。私が見逃したのは、娘を亡くした時期で心身的に余裕のない時期だったせいもあるが。

 

 NHKに望むこと

 

NHKは視聴者の払う受信料と公費で成り立つ放送局だ。台風や大雨、災害などの危険が迫るときは、放送中の番組を中断し、災害情報を伝え、緊急避難を繰り返し呼びかける。

アポ電強盗など、高齢者や弱い立場の人が命の危険にさらされる状況があるのだから、手口や実態を広く知らせ、注意を喚起してほしい。「クローズアップ現代」のように夜遅い時間帯ばかりではなく、多くの人がテレビの前に座る夕方や午後7時の定時ニュースで、またはその前後に放送すれば、被害も減るのではないか。

これからの日本を築く若者がコロナ禍で職を失い、住むところもなくなると、自殺するか、犯罪に向かってしまう。若者の絶望と生きずらさに寄り添い、その構造的な仕組みを変えないと、日本の国の底が抜けてしまう。

このような社会しか残せなかった私たち大人の責任でもあり、政治の解決すべき課題だ。セキュリティの完備した邸宅に住み、ボデイガードに守られている政府の要人や富裕層は少なくともアポ電強盗に襲われることはないだろうし、独り暮らし高齢者の不安もわからないだろう。

 

おわりに

「インターネットをはじめ、この世は詐欺に満ちている」という心境で、今更ながら愕然としています。何が本当なのか。だまされていないか見極めるのはむずかしい。

アポ電詐欺に遭遇して知ったこと、わかったことをまとめてみました。身近な友達に手渡したら、もっと回してほしいと言われて、両面印刷して配るはめに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかのアポ電詐欺 その3

   警官に聞く アポ電詐欺とは   

 

翌日、朝食の時間に一階広間に降りる。食事、掃除担当の50代くらいの女性も親切で感じが良い。パンもご飯もあり、和洋組み合わせた総菜が多種類並んでいて、全部たいらげた。

部屋に戻って、昨日送ってくれた防犯担当の警官に電話し、なぜホテルに避難するのかを尋ねる。警官の話をまとめると、高齢者等にインターホンや電話を使い、お金や貴金属があるかを聞く、あるいは調査した上で、手っ取り早く自宅に押し入る。要求にしたがわないで抵抗すると、暴力を振われ、怪我をさせられた人がいる。ショックから認知症が悪化して老人ホームに入らざるを得なくなった人、殺された人までいるとのこと。

 

顧客リスト、同窓会名簿、ありとあらゆる名簿、個人情報が売りに出されている。詐欺グループ間で個人情報を売り買いして共有、下見をし、計画を立てている。そして詐欺の電話が入った時は、近くに仲間がきている可能性があると言った。

 

「オレオレ詐欺」は手荒な事はせず、だまして盗むだけだったが、アポ電詐欺は一部が強盗化し、手荒な手口や殺人にまでエスカレートしていると聞き、警官がホテルへの一時避難を勧めた意味がやっとわかった。

しかし私に詐欺電話をかけてきた男は、現金や貴金属のことを聞かなかった。預金残高を知りあきらめたのだろうか。それとも彼は下調べ要員で、個人情報を元にシナリオを練ったり、指示をするグループが背後にいるのだろうか。今回預金は無事で被害もなかったが、他の詐欺グループにも情報が共用されているとしたら・・・。自宅へ帰ることが怖くなった。

 

    不要品買い取り」のうさん臭さ

 

8年前くらい前だったか、慢性疾患を持つ人がセルフマネジメントで治していくための講座に参加した。最終日、同年配で親しくなった女性から「これあげる」と金色の小さなブレスレッドを手渡しでもらった。講座は住所、名前は出さず、話し合いはニックネームを使う決まりだったので、名前もどこに住んでいるかも知らない。

私はブレスレットをつけないので、しまったままにしていた。金が高騰し始めた頃に、貴金属を扱うメガネ・金属店で鑑定してもらったら、本物の金だというのでお金に換えた。その時に住所と電話番号を書かされたが、それから不用品買い取りの電話が掛かってくるようになった。買い取り業者は、不要品を何でも買い取るといいながら、実は貴金属が目当てだ。詐欺電話の前日だったか、不用品買い取りの電話がかかってきたので、詐欺グループとリンクしている可能性もある。

退職してからコンクリート長屋でベランダ園芸をし、友達と会うとき以外は外食もせず、味噌も梅干しも自分で作っていた。ブレスレットや指輪は手仕事の邪魔になるので、買う気もないし、貴金属とは無縁の暮らしだ。毎日ぬか床の手入れをして、好きなものを作って食べ、自分のやりたいことをして過ごす生活は、私にとってかけがいのない贅沢な暮らし。もらった金製品を売ったことから強盗に入られ、このささやかな幸せを壊されたらたまったものではない。

 

私も周囲の人たちもNHK夕方の番組「ストップ詐欺被害 わたしはだまされない」を見ていて、「簡単にだまされちゃうのね」。と苦笑しながら話題にしていた。

息子や孫を名乗るオレオレ詐欺全盛の頃、職場の同僚だった年上の友達から電話があった。息子の名をかたる男から電話がかかってきた時、「声が変ね」と言ったら「風邪を引いている」と言われ信じてしまった。相場で損をしてしまいお金が必要だと言われ、百万円近いお金をATMから送金してしまった。

夕方息子が帰宅する頃に電話し「相場なんかに手を出しちゃだめじゃないの」と言うと、「そんなのやっていないよ」と言われ、だまされたことがわかった。

笑うしかないけど、だまされたことが悔しいと言う。やり手で頭の切れる彼女がオレオレ詐欺にだまされるなんて、と驚いたが、だまされた悔しさ、察するに余りある。

 

  

まさかの アポ電詐欺  その2

   なぜ ホテル避難なの ?

 

とりあえずリュックと大きな手さげ袋を出したが、何を入れたらよいか考えられない。ともかく洗濯物を干さないと…。まもなく警官が2人到着した。

「今が一番危険なんだ。最低3泊4日は避難してもらわなくてはならないが、近くに宿泊できる知人はいる?」 「遠方ならいるけど・・・」

「遠方までは車で送れないので、ホテルに泊まってもらいます」。警官はホテルに電話をし、空き状況を聞き始めた。最初のホテルは宿泊料金が高い。空室なしだったのでほっとする。次に電話した東横インは空室があり、3泊4日で朝食付20,020円というのでOKした。

しかし、急に避難しろといわれても。3泊4日家を空けるとなると、可燃ゴミは週2回収集なので、生ゴミは袋の口を縛り、冷凍庫に入れて置くことにした。警官は持って行く荷物を決められないでいる私を見て、腕時計を何度も見ている。

警官が重い方の荷物を持ってくれて、乗用車に乗る。警官は私服で、車もパトカーでなく黒っぽい地味な車だ。一瞬「本当の警官か」と疑いたくなったが、私が警察署に電話をし、駆けつけてくれたのだから本物のはず。後に、警官を疑った事を話すと「その位で丁度いいと思いますよ」と言った。

 

銀行の通帳を止める前に、ATMの前で車を止めてもらい、ホテル宿泊費などお金を下ろす。この時点で預金通帳から、詐欺によるお金は引き出されていないのがわかった。

ホテルに到着し、3泊4日の宿泊料金を前払いする。警官は4日目の朝にホテルまで迎えに来るという。そしてこの間、わが自宅のあるコンクリート長屋を巡回して警戒するとのこと。

「ベランダの植木に水やりとポストを見に、ちょっとだけ帰ってもいいかしら」。しかし警官はにべもなく言った。「これまでは電話のやりとりだから顔を見られていないが、顔を覚えられ、手荒な行動に出られたら大変だ。絶対自宅に近寄ってはだめだ」

 

  ホテル生活一日目

 

ホテル東横インは、はじめての利用だ。建ったばかりの清潔な感じのホテルで、客室もロビーもコンパクトで合理的に配置されていて過ごしやすそう。

ホテルの部屋で一人になり、目まぐるしかった一日を思い返す。アポ電詐欺というのも初耳なら、なぜホテルに避難するのか意味もわからず、頭の中が整理できない。

「30分後にまた電話します」と言った銀行協会を名のる若い男は、結局電話をかけてこなかった。口座番号と暗証番号がわかっても、カードか通帳がなければおろすことはできない。預金残高が少ないのであきらめたのか。さわやかな声と話し方がまだ耳に残っている。詐欺グループに入るような人間とは思えないが。

それにしてもなぜ「最低3泊4日宿泊」なのか。ホテルでは朝食のみなので、昼と夕食の分を、行きつけの食料店まで歩いて買いに行く。そのたびに顔なじみのスタッフが「ホテルに滞在させるなんて、警官もグルなんじゃないの。本当に警察官なの?」と心配し、中には警察署に「なぜホテルに避難させるのですか。警官もグルなんじゃありませんか」と電話を入れた人までいた。

明日、担当の警官に電話で詳しく聞いてみることにしよう。自分に言い聞かせ、ベッドに横になり眠りについた。