小泉首相に捧ぐ
清沢冽「暗黒日記」 昭和20年1月14日(日)
[新聞記事]
”俺も散らうぞ華やかに” 前線に空の特攻隊の歌生る
揃いの紫のマフラーに莞爾として二十歳前後の若者が空の特攻隊として出陣する、その際高らかに歌ふ「空の特攻隊」の歌が比島陸軍航空部隊で作られた、比島の空では昨日も今日もこの歌を口ずさみつつ帰らぬ空に飛んで行くのだ
空の特攻隊の歌 比島陸軍航空部隊作
一、咲いた桜が男の子なら
慕う胡蝶は妻じゃもの
意気で咲け 桜花
八紘一宇の八重一重
二、明日は初陣軍刀を
月にかざせば散る桜
意気で咲け 桜花
俺も散ろうぞ華やかに
三、日本桜の枝のびて
花はアジアに乱れ咲く
意気で咲け 桜花
挙がる凱歌の朝ぼらけ
四、天下無敵の荒鷲の
姿頼もし 花の空
意気で咲け 桜花
君は御空の特攻隊
(曲は露営の歌の前奏曲但し第四節の最後は調子を上げずに下げるものとす)
日本青年が比島で死ぬのは、こうした悪ふざけたドドイツ的情緒のためなのか。ああ。