みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

世田谷空襲


 「一色次郎と下北沢」の中に、世田谷空襲を追加した。世田谷の空襲は被害面積、死傷者の数が少ないことから、あまり取りあげられることもない。世田谷区の戦争体験者の記録を読み返していたら、世田谷区の空襲体験に、独特のものが感じられ興味深かった。
 アメリカは日本空襲にあたって、土地や暮らし方、建物、誰が住んでいるかなどを分析し、シュミレーションしながら周到に準備したということだ。だから、それぞれの都市、地域に応じた戦略と目標があり、被害の状況も異なるのだろう。3月10日の大空襲の被害の大きさは、その後の防空、防災に対する政府の方針、東京に住む人々の意識を変えた。
 体験者の書かれたものに出てくる、駒場にあったという高射砲陣地、どの辺にあったのか調べたがわからない。ただ、数ヶ月前、仕事で駒場近くに行き、道に迷い、不思議な異界的空間に出た。外界から閉ざされたような広くて何もない空き地、高い台地を見て、いかにもここが高射砲の陣地にふさわしいと確信した。

 先の大戦について知りたい資料はなく、本当にわからないことが多い。謎だからこそ知りたい、見たいという気持ちも強いのだ。