みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

ナマズさん お静かに

今までにない大きな揺れだった。まずドアを開けて、隣人と顔を見合わせ「大きいわね」と言い合うことで、少し気持ちが落ち着く。大地震ではご近所が頼りだ。

8月からの仕事が町田なので、そのつながりで白洲正子の「対座」を読んでいた。おもしろくて止められない。
カッコイイ男前の白洲次郎と一目ぼれで結婚したものの、新婚早々幻滅する。白洲正子の祖父は薩摩藩出身の海軍大将、鳥羽伏見の戦い戊辰戦争に従軍している。夕食の席で夫が「薩長の奴らは東京で散々乱暴を働いた。おまえのお祖父さんだって同じだろう」と言い放った。正子にしてみればとんでもない話、祖父はむしろそういう乱暴者を取り締まるのに非常に苦労した方、カッとして、言葉より先に夫のその横っ面をひっぱたいてしまった。「よっぽどこのパチンがこたえたんでしょう。すっかりおとなしい夫になりましたね」。
薩摩の血を引く伯爵のお嬢さんは勇ましい。
正子は米国、次郎は英国に留学している。白洲次郎アメリカやイギリスと戦争をして勝てないのはわかっていた。昭和15年、「これから戦争になる。戦争になれば食料がなくなるから、田舎に引越しして農業をやろう」と、鶴川(町田市)に引っ越す。