みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 朝のニュースで、宮崎駿監督がベネチア映画祭に出席、栄誉金獅子賞のトロフィー

を手にしているのを見た。たしか、この前の賞では代理人が出席したはずだが。
記者会見で、世界がどうなるのかわからないという絶望とこれから生まれてくる子

どもを祝福しなければならないというジレンマを語りながら、次作への意欲を見せ

た。少しハッピーな気分になれた。
もう一つ、明日9・11テロの日に庄野まよという歌手の呼びかけで、無料で誰でもが参加できるコンサートが全国で開かれるという。9月11日にニューヨークの広場で、世界各地の公園で、平和への願いをこめて音楽や歌声が一斉に広がるとしたら、とてもすてきなことだ。


 昨日は仕事がらみで悲惨な相談が続き気が滅入っていた。
アパートに一人暮らしの92歳の女性は痴呆が始まっている。近所に住む親戚の

 女性が時々世話に訪れているが、彼女も80歳に近く病気持ちだ。
アパートの大家さんから老人ホームに申し込むよう勧められた。「火が心配なんでしょう」と80歳がいう。しかし、92歳の女性は足腰は達者なので、特別養護老人ホームには入れない。有料の老人ホームなら入れるが、彼女の年金では無理だ。

 もう1件は、奥さんが朝7時から夜11時まで内職しながら夫の介護をしている。

夫は退院したばかり、管をつけてベットに寝たきりだ。同居している子どもも仕事

から帰って内職の手伝いをしている。夫はMRSA(耐性菌)に感染しているために、病院では個室に入れられ、月に25万円もかかった。

どこか安い療養型の病院か施設はないだろうか。と聞かれた。
MRSAに感染していると受け入れ先を探すのは難しい。もし受け入れてくれるとしても療養型の病院で介護保険を使っても、月25〜30万円は覚悟しなければならない。近所の人が見るにみかねて内職を手伝いながら、妻の身体を気遣かっていた。
ちゃぶ台の上には黒い細かい部品が広がっていた。
「何を作っているのですか」と尋ねた。自動車の部品だという。いくらにもならないはずだ。近所の主婦は奥さんと娘さんの身体が心配で、と涙ぐんでいる。救いは毎日訪ねてくれる近所の人がいることだ。
急性期の病院を退院させられて、家庭で看ることのできない人たちから安い療養型

の病院を知らないかと相談されて、途方に暮れることが多い。
「少子高齢社会」という言葉は他人ごとに聞こえる。しかし、年を取らない人はい

ないのだ。