みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

野川の桜 ライトアップは?

   今日の野川の桜は二〜三分咲き。

今年こそは、と情報収集に余念がない野川の桜 ライトアップ。株式会社アーク・システムという照明会社が地域への感謝の気持ちをこめて始めた 桜のライトアップ。
経費(ン百万以上?)かかるため、やめたいところだが、署名や応援ボランテイアまで現れて、やめるにやめられないとか。ライトアップは一夜限り、実施日は同社のホームページで当日の午前10時に発表されるとあって、気が抜けない。凄い人出らしいのでどうたどり着くか。
まずは、株式会社アーク・システムのホームページ
 桜ライトアップ http://www.arc-system.co.jp/sakura.html をご覧あれ。


野川は私にとって縁浅からぬ川である。20年近く前の野川は高いフェンスで囲まれて、水辺に人は近づけなかった。
その頃私は野川沿いの道を自転車で通勤していた。バブル全盛期だったが、街の中心から外れた野川と両岸の小道は、世の中の喧騒から外れ、水辺の道は車が入れず人にやさしかった。フェンス越しに眺める野川の流れ、水鳥、草花たちにどれだけ慰められたことだろう。

野川は国分寺を源流に、小金井、三鷹、調布、狛江、世田谷を経て多摩川に合流する東京都を流れる小さな川である。もともとは国分寺崖線の湧き水を集めて流れる川だったが、周辺の都市化とともにどぶ川となった。
臭くて誰も近寄らない野川に清流を取り戻そうと、上流の小金井の市民団体が研究活動を始めた。その活動は野川流域の住民を巻き込み、各自治体を動かした。
私が野川と出会ったのはその頃である。野川と野川に関わるすばらしい人々との出会いが、私がまちづくりに関心を持つ出発点となった。野川を囲む高いフェンスは外され、人は水辺に降りられるようになった。
しかしながら周辺の開発は止まらない。住民と自治体の努力もかいなく、国分寺崖線の湧水の数と量は減少し、野川の水量は心細い。


野川のライトアップ、桜にとっては迷惑か、晴れがましいか。今までは人ごみが苦手なせいもあり、何となく行きそびれていた。今年は夜桜に酔い、桜見物の人ごみに揉まれてみたい気分になっている。そういう自分の気持ちの変化をおもしろいと思う。


国分寺崖線を舞台に「武蔵野夫人」を書いた大岡昇平は成城に住んでいた
晩年の大岡昇平は野川の清流復活に関心を寄せていた。亡くなる半年前、市民団体の招きで野川を訪れ、湧き水を飲み満足した様子だったという。