みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

類は類を

今日の朝日新聞に、戦中派財界人の苦言 再チャレンジではいやされぬ という見出しで、経済界の長老 品川正治氏の記事があった。
安部政権や日本経団連に「市場主義は万能ではない」と苦言を呈し、憲法改正にも反対する。私は品川正治氏の名前を知らなかった。経済界にもこういう人物がいるんだ、と思いながら読み進み、93年に当時の経団連会長平山外四氏と企業献金廃止に動いたというところに、目が留まった。


平岩外四氏が経団連の会長だった時、KKCライフレポーターというのを募集した。募集の条件は地域で活動している元気な女性ということだった。若い友人が、あなたにぴったりとその募集要項を送ってくれた。
今から十数年以上前のことなので、細かいことは忘れたが、地域で活動している女性・生活者と経済界とが情報交流し、イベントや研究活動を行うという趣旨だった。
当時、時間とエネルギーが余っていた私は、自分と対極にあると思える経済界への興味半々で応募した。小論文を書いて出すことになっており、自分の住んでいる地域の環境や子供の通う学校の問題について書いた。私の拙い小論文は経団連の発行する小冊子に掲載された。社会を透視しているというお褒めのコメントをもらい、1万円いただいた。平岩外四氏も眼を通してくれたと信じたい。


KKCライフレポーターのコーディネーターは澤登さんという女性問題の専門家で、樋口恵子さんを招いた基調講演もあった。
普通、会長は挨拶だけで退出するものらしいが、平岩外四氏は最後までいたと話題になった。
当時珍しかったパソコン通信を使った全国会議に参加したり、環境問題のグループ企画に参加し、「リサイクルをめざす家電製品」というテーマで発表もした。


平岩外四という人は大変な読書家ということである。東大の学生からニューギニアの戦線に送られ、飢えと闘いやっとのこと生還したという。品川正治氏も学徒出陣で中国戦線に送られ、負傷したという。平山氏と同様、1兵士として戦争の怖さを体験したことが、リベラルな考え方、発言のもとになっているのだろう。


その当時と比べて今の日本経団連はどうだ。地域や生活者への視点はなく、いかに儲けるかばかりだ。現経団連会長の御手洗  氏は、平岩外四品川正治両氏と比べ、持論もそうだが、顔つきにも柔和さがなく猛々しい。

類は類を呼ぶというが、今の内閣、都知事経団連の顔ぶれを見ると、好戦的で、品性に欠ける面々が揃ったものだと思う。