みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 テレビで戦記

今年はテレビで見ごたえのあるドキュメンタリー番組やドラマがあった。

沖縄戦が終わり、白旗をくくりつけた棒を手にして、米軍に投降する女の子の写真を何かの折に目にすることがあり、不思議な印象を覚えたものだ。
その少女が大人になって書いた手記をもとにテレビドラマが作られたとあっては見逃すわけにはいかない。
9月30日9時放映、テレビ東京開局45周年記念ドラマ「白旗の少女」
甘えん坊の末っ子が戦火から逃げる途中家族とはぐれ、死んだ兵隊の食べ物をあさり、日本兵に殺されそうになりながらたくましく生き延びる。
写真では白旗を掲げる女の子の後ろに日本軍の兵士の姿が見えるので、兵隊の盾にされているかのように見えなくもなかったが、それは偶然で、女の子はたった一人で白旗をかついで歩いているのである。なんとまあ健気に、生き延びてくれたことよ。(たぶん見逃した人が多いと思うので、ぜひ再放送を)


ドキュメンタリーでは8月9,10、11日と3日連続で放映された日本海軍400時間の証言」
海軍の上層部にいた人たちの反省会の録音テープの証言をもとに構成されていて、大本営参謀本部の作戦がなぜおそまつだったか、どういう人たちが戦争の指揮をとっていたかを知ることができた。いいわけがましさがないでもないが、反省を次代への教訓として残してくれたことはよかった。
海軍の特攻作戦が、戦局が追い詰められてやむをえない手段として取られたのではなく、最初から織り込み済みだったとは。アメリカと戦えば負けると開戦に反対しながら、最終的に引きずられて参戦する。だから真珠湾奇襲攻撃に出たのだろうが、おいおい戦争は博打じゃないんだよ。
再放送は10月30日午前1時40分(29日深夜) 総合テレビ


今年の7月に発行された本「特攻隊振武寮元陸軍少尉大貫健一郎、NHKディレクター渡辺考共著
ETV特集「許されなかった帰還〜福岡・陸軍振武寮〜」平成18年放映、NHKスペシャル「学徒兵 許されざる帰還〜陸軍特攻隊の悲劇」平成19年放映
この二つの番組をもとに元特攻隊帰還兵大貫さんの証言を中心にまとめられた。
大貫さんの証言と併せて、陸軍参謀の作戦の記録、米軍の記録を載せているので、多次元的に特攻の現実が迫る。死に行かされた若者たちを思うと悲しくてやりきれない。大貫さんの言葉、特攻は決して美化してはいけない。