みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 大寒が過ぎて

 今年は寒い冬だといわれれば、そうか、年齢のせいではなかったのだ。
 東京では珍しく雪が7センチも積り、足元が危なかった。積雪の翌朝、駐輪場の前をチリトリで雪かきした。昨夜のうちにだれか雪かきしたあとが一本道路にあった。
 もっと多くの人が加わってやれば、歩きやすくなり安全だが、ほとんどは無関心だ。でも滑るのは嫌だと見えて、雪かきの済んだ道を通る。

 妹の話では、息子は先の総選挙でだれに入れていいかわからず、一番若いのに入れたという。その人は維新の会の人だそうだ。
 正月に田舎でTPPの話になった時、インターネットも見る甥っこたちは、情報があり過ぎてどれが正しいのか判断がつかないといっていた。
 原発についても同様である。若い人ばかりでなく、何が正しいのかわからないままに世の中が動いていく怖さがある。

 井伏鱒二著『黒い雨』新潮文庫 平成15年 第63刷改版を読む。前回読んだ時より胸に迫るものがあった。爆心地から2キロ駅のホームで被爆した主人公が、10キロ離れた場所にいて、放射能雲による黒い雨で二次被爆し発病した姪のことを書いたものだが、ピカドンというわけのわからない新兵器にやられた人々の様子と生活がリアルに立ち上がってくる。被爆して危篤寸前の医師が、輸血や白桃を大量に摂ることで生命の危機を脱していく事例など、人間の運、不運、不可解さが平らに書かれているのがよい。原爆ぶらぶら病といわれるが、外からはだるい、力が出ないという症状がわからない。それでも動かないといけないから散歩に行くと、「いい身分ですね」と嫌味を言われる。当時は散歩する人なんていいなかったのだそうだ。今でも田舎では散歩していると目立つような感じ、あるものな。