みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

ネジバナは不思議な花

kawanomiti2006-06-24

六月は梅雨空でうっとうしいと言われる。でも雨に打たれるあじさい、くちなし、ほたるぶくろ、ひるがお・・・六月は大好きな花が多い。むしろ桜の季節よりも好ましいくらいだ。
湿った空気の中に花の香りが漂う場所を自転車で通り過ぎる時、果報に巡り会ったような幸せを感じる。
友達んちに行ったら、目の前にピンクの可愛いいネジバナが咲いていた。ネジバナは芝生のような低い草地が好きだが、突然出現するのがおもしろい。見つけると思わず「どこから来たの?」と顔を近づける。

三年連続手帳を見ると、昨年の六月はいつもの三人組で靖国神社遊就館見学に行っている。
靖国神社は私の亡き祖母にとって特別な場所だった。我が家では靖国神社に祀られた人はいないが、祖母は明治から大正に時代が移る頃、永田町に下宿し、まだ国会議事堂のない頃の話だ、近くの女学校に通学していた。
毎日靖国神社の周囲を掃除をするのがそこの女学生たちの日課だったようだ。祖母は東京にいる私に、靖国神社の桜を見たか、きれいだろうと聞いたことがあった。祖母の胸にある靖国神社、人それぞれの靖国神社観があると思うが、一度この目で確かめたかった。
靖国神社ってどんなとこなの。怖さ半分、興味しんしん。
遊就館の前に行くと「檜の香りがする」と一人がいった。あの日も梅雨空だった。とことん見てやろう。というつもりもなかったのに、結局一日がかりの靖国見学ツアーになった。展示はなかなか豊富だった。先の戦争を肯定し賛美する宣伝映画まで見てしまった。
百聞は一見にしかず。韓国、中国、アメリカの人、要人も遊就館を見に行けばよい。だけど一番本質を知らなけれがならないのは私たち日本人なんだよね。
戦争で死んだおびただしい兵士、老若男女・・・。軍部の無謀な作戦の総括、検証、分析がされないからだれも責任を取らない。
軍隊の失敗の本質が生かされず、その古い体質は今も日本国を覆っていると防衛大学の先生が言っていたな。
昨年、終戦60年という節目にありとあらゆる昭和の物語を読んで、読み過ぎて何がなんだかわからないというのが正直なところだが、印象に残ったのは人の命の軽さかな。

水俣病薬害エイズアスベスト被害、過労死か心身が壊れるまで働かされる人々。昔の話ではない、今、起きていることだ、人の命の軽さの延長上に靖国神社の姿が見える。