みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

介護の現場で

kawanomiti2006-07-01

「介護の現場で何が起きているのか」生井久美子著 
2000年朝日新聞社発行 かなり厚い本である。
この中の (2)専門職ヘルパーを大切にする国 に、アンデルセンの生まれたオーデン市郊外のソノスー市の例がある。
ソノスー市は人口1万千人、高齢化率15パーセント。
サービスの責任を持つのは自治体だ。日本の介護保険のように要介護認定はない。依頼があると公務員の地区長が出向いて、その場で本人と話し合ってサービスを決める。


ヘルパーのために職場の安全点検も
高齢者宅は、ホームヘルパーにとっては職場だ。安心して働ける職場かどうか地区長が点検する。
まずお風呂場から、シャワーの時、床が滑らないか、介助するのに広さは十分かを見る。
寝室のベッドの高さは適当か。洗剤は、手が荒れない製品かもチェックする。
高齢者が、急に攻撃的になる危険性がないかも調べる。本人が暮らしやすいための住宅改造のほか、ヘルパーが介護のために必要な住宅改造も自治体が負担する。
介護する側が気持ちよく働けなければ、介護される側が心地よいサービスはできない。この思想が、現場で、具体的に実践されていると、書いてあるのだ。 (生井さま、抜粋でごめんなさい)


この本を読んだ時、日本の現状とあまりにもかけ離れていることに、ショックを受け、力が抜けた。
本当はそうなんだけど、・・・とタメイキ。

難病が進行し、發語なく意識も定かではない高齢者(女性)がいる。夫は妻を以前の元気だった頃のようにしておきたい。
ベッドも介護用ではない高さ調節機能のないお昼寝用のベッドを購入してしまった。高さを調節できないベッドは、中腰で重介護をしなければならないので、腰を痛める。

関節の拘縮が進み、最重度の要介護5、おむつ交換も二人介助ではないと無理だ。
入れるヘルパーがいなくなり、3箇所の訪問介護事業所が入っている。いずれの事業所も介護用ベッドに替えてほしいと要望している。それでなくてもホームヘルパーは慢性的に人手不足だ。
介護用ベッドのレンタルを夫に二度進言したが、拒否された。お金がないわけではない。

なぜか夫、息子が主介護者の場合、献身的介護をしている人ほど意固地になりやすい。自分のやり方に自信を持ち、人の意見に耳を貸さないタイプ。
保険者(行政)にも相談した。労働災害につながる事柄であり、担当者も早急に何とかしなくては、と言うが、家族がうんと言わない以上、打つ手がない。


私は考えて考えて、上記の文章のコピーを同封し、再度介護用ベッドの導入をすすめる手紙を今日投函した。
もしかしたら、ケアマネ交代をいってくるかもしれない。私の前のケアマネがそうされたように。

午後、小雨の中、自転車で買い物に。野菜と赤ジソを買った。シソジュースがおいしかったので、
また、作った。これとゴーヤ茶で夏を乗り切ろう。

          写真は挿し木で増やしたあじさい。