メカ音痴 果敢に挑戦す

真夏の陽射しが肌に痛い。しかし、梅干にとっては絶好の環境だ。
梅酢から引き揚げた時、梅は何の香りもしなかったのに、お日様に干しているうちに、梅干特有の酸っぱい香りがするようになった。パソコンに向かっていると、風にあおられたカーテンとともに梅干の香りが部屋に入ってくる。
狭いベランダを、お日様の動きにあわせてザルを移動する。バジルの鉢につまずくと、ハーブの香りがふぁーつと立ち上る。梅干の表と裏を一つずつひっくり返す。無心にベランダ仕事をしている時、ささやかな幸せを感じる。

しかし、幸福感というのは、いつもはかなく消えるものだ。
私のパソコンは昨年買い換えたが、ＢＳ受信はできないタイプだということがはっきりした。
ＢＳとＣＳが見られ、なおかつ予約録画ができるチューナーを買って接続しなければならない。

家電量販店に行くと、予約録画ができるタイプは予定していたよりも倍以上高かった。
しばらくイスに座って考え込む。ガスグリルも掃除機も壊れかかっているのに、予期せぬ余分な出費だ。でもこの夏は遊びに行かずに仕事をするつもりだから、何とかなるか。と買うことに決めた。
かなり重かったが、配送料金の節約のため自転車の後ろのカゴに入れて、慎重に持ち帰る。
で、さっそく図面見ながら接続しようとしたのだが、うまくいかない。しかもエアコンをつけず汗だくで。
とうとうＮＥＣのサポートセンターに電話で聞いたら、普通のテレビが接続できている場合、また、ＢＳ接続の事情が変わるかもしれないのでチューナーのメーカーに、聞いてくださいといわれる。ためいき。
もしかして役に立たない高い買い物をしてしまったのだろうか。
いずれにせよ、梯久美子さんが出演する「週刊ブックレビュー」に間に合わない。