みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

木犀の香り

先週半ばの仕事帰り、かすかな香りに気がついて自転車を止める。
夕闇の迫る木立の間に金木犀の蕾が目に入った。木犀の香りは開き始めが一番よいと聞いたことがある。たしかに蕾の頃と満開の時期では香りの質が違うようだ。
我がベランダの金木犀はまだ蕾の形をしていない。他所の金木犀が散った頃に咲き始める。病気で葉先がいじけ赤茶けているのだ。それでも毎年律儀に花をつけるので捨てることもできない。

毎月後半は訪問が立て込みバタバタする。昨夜も夕食後洋服着たまま眠ってしまった。最近新聞記事で介護疲れと見られる心中が目につく。80代の夫婦が配偶者を介護している老老介護、70代の子供が90代の親を介護しているのも身近にある。
そういえば私は妻を介護する90歳の夫から冠婚葬祭の互助会について相談されている。彼は後数年で息子が定年退職するので、それまでは妻の介護をがんばりたいという。彼自身もガンの手術をしている。
同居家族がいる場合、介護保険では掃除などの家事援助はできないことになっている。今までは例外規定で免れていたが、社会保障費圧縮の方針にそいチェックが厳しくなった。しかし、精一杯家事に介護にがんばっている90歳に対して、息子が同居しているから掃除の援助を打ち切るとはいえない。
先日は90度に腰が曲がっているおばあさんに、布団から立ち上がるのが大変なので電動ベットをレンタルしたいが、要介護1のため借りられないと訴えられた。そのおばあさんも車イス生活の夫と二人暮らしである。
ヘルパーには最少の手伝いだけを頼み、夫の介護と家事を受け持っている。当初はレンタルできた介護用ベッドが今は要介護2以上、寝返り起き上がりがまったくできない、でなければ借りられなくなった。厚労省が介護予防を前面に掲げるなら、まさにこういう人に予防の意味で電動ベッドをレンタルするべきだ。そうすることによって介護費用の節約も実現するはずだ。

さて、介護保険制度についてどれだけの人が内容を知っているだろうか。健康保険や年金から介護保険料が差っぴかれているため、あまり考えていない人が多いと思う。
誰にもやってくる老い、その時どこまでみてもらうのか。そのための制度だから、自分たちの問題としてどういう介護を望むのか、そのための費用はどうするのか、国民的論議が必要なのに選挙の時だけ、口当たりのよい言葉でごまかされ、問題は先送りされている。
年金もそうだけど制度をわかりやすくシンプルに。そういえば自己責任って言葉聞かなくなったな。