みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

和太鼓ブーム

隣の保育園で運動会が開かれている。やれやれ、これからはあの太鼓の連打音から開放される、とほっとする。
太鼓の連打音というのは腹に響く。不安を掻き立てるような心地がして落ち着かない。家で寝ている病人はたまらないだろうな。
たまたま西表島から上京している妹が、コンクリートの建物は音が反響して、大きく聴こえるねと驚いていた。


子どもの頃、村祭りの太鼓の音が聴こえてくると、わくわくしたものだ。田舎の太鼓の音色は軽快でのどかな響きであった。
盆踊りのやぐらの上で、若衆が太鼓を叩きながら、「踊りが下手なら太鼓も下手だよ」と踊り衆を挑発する。
いつも酔っ払っているオジサンがはしごの中段に足をかけて横笛を上手に吹いていた。祭りの最高潮に明かりが消えると、男たちの嬌声が飛び交う。
長塚節の小説「土」に描かれたと同じうきうきと猥雑な村祭りの風景が、昭和30年代まで続いていた。
最近の和太鼓ブーム、たしかにプロの演奏家の太鼓はすばらしく感動するが、アマチュアの太鼓の練習はかなりの騒音でしかない。
鼓童だって本拠地は佐渡にしているではないか。
和太鼓ブームが続けば、ピアノ殺人ならぬ和太鼓殺人事件が起きるかもしれないね、と妹と話したことだ。