みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

灯火親しむ

今日から秋の市民大学講座、異文化講座「シュメル-人類最古の文明」が始まった。
講師は小林登志子さん。(オリエンタル文明の研究者 NHK学園の講師)
第1回目は、「文字はなぜ粘土板に書かれたか」

配られた資料のトップに、2年前のアテネオリンピックの新聞記事のコピーがある。
開会式の写真、イラク国旗を振って入場行進するイラク選手団の先頭に、白いドレス姿の女性がいる。今も戦火が続いているバクダット、選手は海外での練習をよぎなくされた。戦乱を超えて入場するイラクの選手団に、ひときわ大きな拍手が響いた。
という記事の内容である。

コピーなのでよくわからないが、女性は王家の冠をかぶり、白い衣装には人類最古の文字である楔(くさび)形文字が描かれている。
イラクメソポタミア文明 シュメル王朝の栄えたところなのだ。
講師の小林さんはこの入場行進の女性の姿に、イラクの人たちの誇りと世界に向けて発したメッセージを読み取った。
が、どの新聞社の記事を見ても、イラクの人たちの発するメッセージに気づいていない。今、高校で世界史を教えないことが問題になっていることと関連して、世界史を知らないことを嘆いていた。

紙が現れるまえの書写材料は、主にパピルス(葦に似た草)、羊皮紙、粘土板はどこにでもある泥を使うので安価で手に入りやすかった。
粘土板は持ち運びは不便だが、焼けばいつまでも保存することができる。日本では木簡、葉書というように葉っぱも使われた。
講師が木の葉に文字を書いて、切手を貼って自分宛にきた葉書を見せてくれた。
都市が形成されることは税をとるということ。税をとるには記録を残さなくてはならない。ということで文字は考えられたということであった。

途中何度か睡魔に襲われたが、これは私の病気であり、講義はおもしろかった。終わってから質問が相次ぎ、私もしっかり質問した。


図書館でたくさん本を借り、昨夜は藤沢周平の「白き瓶」を読む。郷里の歌人長塚節の評伝なので、興味深々。ここのところテレビは最小限にして、もっぱら読書の秋だ。