みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

無情の雨

昨日は横殴りの雨で、傘をさしてもバックからコートまでずぶ濡れになった。革靴の中が雨でぴちゃぴちゃ鳴る。こんな日に限って訪問先が遠く、電車と歩きで6軒廻った。
地図が濡れてボロボロ、会社に戻っても管理者からねぎらいの言葉はない。会社の理念と現実の差。でも必ず救いの神はいて、家路に向かうバス車中、同僚のメールに癒される。


一昨日の夜のビデオ録画を見る。「ようこそ 魔性の食卓へNHK夜10:30〜 第一回目のテーマは豚肉。ちょうどブログで豚肉について書いたところなので、そのタイミングの良さに見ずにはおれん。
徳川慶喜水戸藩主徳川斉彬の息子で、徳川最後の将軍だ。慶喜は豚肉が好物で、薩摩藩献上の塩漬け豚肉をしょっ中食べていた。当時は豚、牛などの肉を食べることはタブーだった。だから慶喜の豚肉好きは悪評だったようだ。

倒幕の急先鋒薩摩藩と徳川の将軍の意外な接点に驚く。慶喜大政奉還に至る経緯や無血開城をしたことで、意気地なしと見る向きもある。しかし、見方を変えれば徳川家将軍の面子、意地にとらわれず、大政奉還したことで江戸の町を戦火から守った。
身内である水戸藩から出た天狗党に対する処分(斬首)も冷酷なものだった。吉村昭朝日新聞に連載した天狗党の小説を読んでもなぜ、慶喜天狗党に対してあれほど非情だったのか、私には理解できないままだ。
しかし、これも血で血を洗うような凄惨な水戸藩の内部抗争に距離を置き、もっと遠いところに眼差しを向けていたとも考えられる。
それは豚肉好きや写真機の趣味などに見られる束縛されない現実主義的な生き方、先見性といえるのかも知れない。
食材を通して歴史を見ることのおもしろさを伝えてくれた番組だった。