みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

北風の週末

毎晩のように夜中から明け方にかけて左肩がだるく重くなり目が覚める。整骨院に週1回行っているが、まだまだ稼働域制限と痛みは長引きそう。
今年は味噌作りをやめようかと思ったが、やはり麹と大豆を注文した。一番寒い2月が味噌作りの季節ということになっている。幸い今日は北風の冷たい週末となった。
一昼夜水につけた大豆を圧力釜でやわらかく煮てつぶす。大豆さえ柔らかく煮えれば後の作業は簡単である。潰した大豆、麹、塩を混ぜて、放置しておく。何ヶ月かたつと酵母がおいし味噌にしてくれる。発酵の不思議と手作り味噌の香りに魅せられ、もう二十年近くになるか。


昼過ぎ、会社から連絡が入る。92歳のコージさんが入浴後倒れ、意識を失って救急車で病院に運ばれたという。嫁いでいる娘さんが週2回来て、入浴させていた。娘さんどんなに驚いたことだろう。
大正生まれ、いまだに褌でパンツをはいたことがないコージさん。トイレに行くのが間に合わず失禁しても、自分で始末し、決して家族やヘルパーにさせなかった。いつも穏やかな笑みを浮かべ、所有ビルの5階に一人で暮らしていた。
夜はコージさんの息子さんが交代で泊まっていた。コージさんにそっくりの顔をした息子さんたちも穏やかな笑みを浮かべ、ヘルパーたちに対してもやさしかった。コージさん、コージさんの息子さん、娘さんを知り、今どきこういう人たちがいることに驚いた。
ビルの5階、コ−ジさんの部屋の外に屋上ガーデンがしつらえられていた。外に出られない父親のために息子さんが作ったものである。秋には鈴虫の音色に聴き惚れた。


介護保険スタート時はまだ明治生まれがちらほらいたが、いつからか明治生まれは顧客リストから消えた。大正生まれも少なくなった。
明日も北風の寒い一日になるらしい。