みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

桜 さくら サクラ

kawanomiti2008-03-30

今年は友人たちも忙しく「お花見」ができなかった。
一昨日、降り始めた雨を気にしながら、家路を自転車を走らせていたら、中学校の前の道路に桜のかたまりが落ちていた。思わず拾い上げ、自転車の篭に入れた。だれかからのプレゼントのようにうれしい。つぼみが二分ほど混じっていたが、水に生けているうちに開花が進んだ。

そういえば、先週訪問した家に、桜のはなびらを浮かべたお皿があった。ヘルパーと外出して拾ってきたものだった。


サイトーさんが満開の桜を待たずに逝った。退院して7日目、あまりに急だったので、呆然として言葉もなかった。病院の担当医と訪問診療の医師の連携が、もっと早くにスタートしていれば、もう少し家でがんばれたかもしれないのに、と反省やら悔やまれた。後で家族からやすらかな死顔だったと聞いて、少し安堵した。


昨夜、私が受け持つ利用者の中で最高齢の93歳の男性が病院で亡くなったと娘さんから電話が入った。
昨年9月17日のブログ「首都高速の走る街で」に書いた方である。娘さんは父親を入浴させるために、自宅のある他所の区からバイクで毎週通った。長男と次男が交代で夜泊り込み、日中はヘルパーや訪問看護が入っていた。
ほんとうにおだやかでいつもにこやかな笑みを浮かべ、家族やヘルパーに対する態度も礼儀正しかった。こういうオトーサンだから、親孝行の息子、娘に育つのね。と父親にどこか似た顔のお子さんたちを見ていた


両人とも口数の少ない方で、それだけに交わした会話が愛しくいつまでも残る。