みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

悠々と 泰山木

花の追っかけが間に合わない。栃の木(マロニエ)の花も時期を逃してしまった。
買い物の途中、回り道して緑道に行った。お目当ての泰山木が今年はたくさんの花をつけた。
泰山木の花は高い所に、上向いて開花する。だから真下に行くと花の姿をとらえにくい。
デジカメを持って場所をあちこち移動していたら、通りがかりの女性が話しかけてきた。やはり、この泰山木が好きらしい
「泰山木の花の香りは仄かでいいですね」。と、しばし泰山木の下で話が弾む。
「中断させてしまってごめんなさい」。会釈して彼女は立ち去った。オバサンは自由で身軽だ。知らない人にでも話しかけ、会話を楽しみ共感できる。男はどうしてできないのか。


昨日だったか、NHKテレビで、会社を退職するとアルコール依存症になる男性が増えているという話をやっていた。働くことが生きがいだった男性。退職して家にいると居場所がないので、つい酒を呑み、それが朝から酒浸りになる。
アルコール浸りは脳を萎縮させ、認知症の引きがねとなる。
そうならないためには、会社依存症にならない。会社・仕事以外に楽しみや居場所を見出すことが大事らしい。


友達が貸してくれた本 ルポ「貧困大国アメリカ」堤未果岩波新書
病院の待ち時間に読み、途切れ途切れにつなぎ読みして終えた。
私は、アメリカの社会問題のニュースなどを見る時、いつも不思議に思っていたことがある。それはアメリカのスラムとか貧困層には太っている人が多いことだ。東南アジアやアフリカの難民が痩せて居るのと比べ、その肥満体は異様でさえある。
その謎が、この本を読み始めてすぐに解けた。

第1章 「貧困が生み出す肥満国民」で、家が貧しかったり、仕事に追われていると、毎日の食事が安くて調理の簡単なジャンクフードやファーストフード、揚げ物中心になる。貧困家庭の児童生徒に提供される無料・割引給食の内容はハンバーガー、ピザ、フライドチキン、ホットドッグ・・・。

なるほどこういうことだったのか。これでは健康を害し将来医療費もかさむだろうな。

アメリカでは一部の富裕層と貧困層の二極化が進んでいる。大学を出て正職員として就職できた中間層が失業などで貧困層ワーキングプアに転落している。
軍隊・徴兵も民営化され、ワーキングプア派遣労働者並にイラクに送り込んでいる。他に職がないから、高給に釣られてイラクに派遣されたが、劣化ウラン化学兵器に曝され、後遺症が残っても何の保障もなく使い捨てだ。

いつからアメリカはこういう国になってしまったのか。日本も同じようになってきていることが恐い。一部の金儲けの才がある金持ちや権力者のために、愚かな貧困層ワーキングプアはなくなりはしないってことか。
役所がひどいから民営化という安易な考えが危険だということは何となくわかる。
「受身の消費者から選択する市民へ」と、著者は最後に結んでいる。

流されないで、自分の頭で考えるのってけっこう難しい。マスメディアが金と権力にからめとられ、真実を伝えないのだから。