梅雨の晴れ間に
緑のカーテンが順調だ。連作障害にもならずツルをぐんぐん伸ばしている。
毎朝、ニガウリのツルを誘引するのが忙しくもあり、癒しになっている。
先日、父が終戦の年に受け持った教え子に会う機会があった。
雑談しているうち「男子で▽△先生にビンタをもらわなかったものはいませんよ」。といわれ、絶句した。
父は自分史に、終戦時の国民学校での出来事を書いているが、そんなことは書いてなかった。
「やはり両方から話は聞かないとだめですね」。苦笑しながらいうと、
「ビンタもらって恨んでいるものはいませんよ。自分の子供にもやってくれと学校に頼みに行ったら、できないと断られました」と笑う。
私はビンタされたことがないので、される側の気持ちがわからない。
我が家には父の教え子たちがよく泊まりにきていた。一緒に写真の現像したり、裏山で遊んだりしていたから、厳しいだけの教員ではなかったとは思うが。
それから半世紀以上もたち、教え子は定年を過ぎ老年になったが、父はまだ先生といわれている。
戦後、「新しい教育」の時代になり、軍隊式教育は終わった。私が小学校の頃、まだ担任が男子にビンタを張っていた。ちょうど今の季節、青梅は毒があるから食べないように注意されていたが、中には食べる男子がいた。先生は男子を並ばせて食べた数だけビンタしていた。