みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

振り込め詐欺は無くならない。

先日、老夫婦の家を訪問している時、セールスの電話がかかってきた。
91歳のジイ様が出て、「年寄りだから旅行にはもう行けない」 と、断っている。バア様が「旅行会社からよくかかってくるのよ。切っちゃえばいいのに」 という。

電話は終わらず、ジイ様は問われるままに、2階に長男夫婦が住むこと。長男の名前まで教えている。バア様の機嫌が悪くなった。私は、ジイ様に「切った方がいいですよ」 と伝えた。
やがて電話を終えたジイ様が戻ってきた。「私はあんたらとは違うんだ。向こうは仕事で電話かけてきてるんだ。一生懸命働いているんだよ。聞かれたことに答えるのは礼儀だろう」。かなり腹を立てている。

老夫婦は満州から苦労して引き揚げてきた。実直に働き、都内に土地を買い、家を建て人にも貸している。ジイ様は穏やかな性格で、他人のことを悪くいうのを聞いたことがない。しっかりしたジイ様のことだから、振り込め詐欺に引っかかることはないだろうが。


振り込め詐欺に限らず年寄りを狙う詐欺はなくならないだろうな。それは年寄り世代がお金を持っているからである。もちろん、年金だけの、年金さえもらえない人も少なくないが、現実に振り込めるだけのお金があるのである。

それに引き換え、若者は職がない、あっても低賃金だったり使い捨て、住む所もなければ健康保険にさえ入れない。団塊の世代や年寄りは自分たちだけ年金がもらえ、安泰ならそれでいいのか。高齢社会を支え、日本を支える若者の現在と将来を合わせて考えないと社会は持たない。

警察の捜査も及ばないほどの知恵を行使して年寄りからお金を巻き上げる若者集団。若者が振り込め詐欺なんかに行かずに、希望の持てる社会を築けるよう変えなければならない。それはヨーロッパのワークシェアリング型働き方に見られる、みんなで仕事を分け合い、支えあう仕組みがよいと思う。