みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

時には凹むことも

 認知症が進んだ一人暮らしの婆様は、先週グループホ−ムに入所した。都内はどこも空きがなく順番待ちなので、隣の県のすぐ入れるグループホームに決めたと娘さんから連絡が入った。自分の家庭があり、仕事を持つ娘さんは「限界だったのよ。しょうがないよね」といった。
 そうこうしているうちに、要介護3の80代の爺様を介護している86歳の妻が緊急入院することになった。介護から日常的なすべてを妻が行っていたので、さー大変。
 歩けない妻を車イスに乗せて、病院に運ばなくてはならない。ヘルパーの手配がつかないので、私が連れて行くことにした。
 さて、妻の方は病院にまかせるとして、問題は残った爺様の方。こういう場合、緊急にショートステイを探して入ってもらうところだが、本人は絶対いやだという。
 爺様は伝い歩きでやっとトイレまで歩けるが、他は何もできない。すべて妻にまかせてきたので、日常的な物のありかもわからない。何年か前に臨時で頼んだヘルパーに毎日来てもらいたいという。そのヘルパーは他の利用者に入っているので、毎日は難しい。爺様は「こっちは死にそうなのに、だれも僕のことをかまってくれない」と怒る。

 妻の入院した病院で、手術前のカンファレンス(会議)があった。整形外科医がレントゲン写真を見ながら親族、民生委員を前に、なぜ手術するのかを説明する。
 民生委員が「入院はどのくらいになりますか」と医師に聞いた。誰もが一番知りたいことだ。医師は「鳩山さんと普天間じゃないが、俺に日にちを言わせるなよ。鳩山さんも日にち言ったからああいうことになったんだ。手術して組織を採って検査しないとわからないし、高齢なんだから何が起きるかわからないだろ。最低でも1ヶ月はかかる。それ以上になるかもわからない」。医師の言わんとすることは何となくわかった。「大変わかりやすい説明で、ありがとうございました」。私は医師にお礼をいった。
 整形外科医はずけずけと言い、威張っている人が多いが、この医師はユーモラスで親しみが持てた。

 待ったなしの利用者が幾つか重なり、また土曜出勤となる。高齢世帯では何が起きるかわからない。この仕事をしている限りいたしかたないことだ。とあきらめつつも、本も読みたい、映画も観に行きたい。