みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

白熱教室

 我がベランダのしょうもない金木犀、葉の先が赤茶ける病気が治らない。それでも律儀に花をつけてくれた。地植えではないから香りは控え目で、そのやさしい匂いに癒された。「咲いてくれてありがとう」

 昨日夕方ハーバード大白熱教室を途中から見た。「戦争責任を議論する」、サンデル教授が昭和30年代のアジアへの侵略について、今の世代は戦争責任を負うべきか、と会場に問いかけた。この議論は日本ではずっと議論されてきたが、「それはあなた方の考えでしょ」。と双方が平行線のまま深めあうにいたっていない。
 ところがセンデル教授は、たとえば今の世代には責任はないし、償いもする必要はない。いったいいつまで謝罪すればよいのかという、多くの日本人、若者のホンネを代表する発言者に対して、異なる視点、立場からの意見と対峙させ、冷静に議論を進める。
 勝ち負けではなく、意見の異なる同士が、自分の発言をより突き詰めて考えざるをえなくなる。問題を投げかけられた若者が言葉につまり、思考を巡らす表情はなかなかよかった。あ、センデル教授は政治哲学が専門なんですね。で、目頭がジーンとなる感動とともに白熱教室の授業は終了した。3時間もの授業のラスト、拍手でセンデル教授を送る会場の若者の顔が清々しい。
 それに比べ、現実の政治はどうだ。日本の総理大臣がころころ変わる政治状況とか、中国と日本の尖閣諸島を巡る攻防とか、民主化リーダーのノーベル賞受賞に対して、中国当局・メディアが取った対応、恥ずかしい。


 夜はETV特集「小さな金融が世界を変える」を何と23時半までみてしまった。これも驚きの内容だった。
 私は経済オンチで銀行の融資というものの成り立ちがわからない。銀行員だったとちさこさんが、油の乗り切った50歳位で退職し、貧しい移民のための銀行をはじめる。苦難の道ながら、移民の生活支援のために有効に使われている。いろいろな貢献の仕方があるもんだ。