みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

高木仁三郎さんの危惧が現実に

 福島原子力発電所が気になり、ニュースから目が離せない。しかし、いい加減テレビニュース疲れで昨夜は10時半に寝てしまった。

 今朝はテレビはあまり見ずに、防災用品の整理を始めた。探していた懐中電灯付きラジオが出てきた。手回しで多種の携帯充電もできるタイプだ。ペットボトルの水は賞味期限から1年も過ぎている。私の住む地域は計画停電で、夕方6時20分から夜9時20分まで電気が止まる。その間、電話、インターネットの通信手段が使えない。エレベーターも使えないし、道路では信号が機能しない。

 そこへ妹から、福島原発が危険な状態だから西表島にすぐ来るようにと電話が入る。かなりあせっている。あわててテレビをつける。原子炉の格納容器に損傷か異常が起きているようだ。拡散する放射能の量も増えるだろう。しかし仕事はあるし、電車がまともに動かない状況で動くのは現実的ではない。東京まで放射能がどの程度くるのかわからないが、先の短い私よりも娘と娘の連れ合いを少しでも守ることを優先したい。

 娘に一応妹の提案を連絡したら派遣社員なのに、「仕事があるし」という。「冷静になって。福島の人たちは大変なのよ。一番優先されなければならないのは赤ちゃんでしょう。私たちは子供がいないのだから」といわれてしまい、我が身が恥ずかしかった。


 午前11時菅首相・政府の記者会見。何か言葉に出せない最悪の事態も予測される。
 
 このような大惨事が起きても、喉元を通り過ぎるとまたぞろ原子力発電の必要性がいわれるのでしょうか。


 天国にいる高木仁三郎さん 恐れていたことが起きてしまいました。高木さんが警告を発していた大地震原発原発の老朽化の問題がとうとう現実に起きています。現場で決死の作業をしている作業員が心配です。

 原子力の専門家で、設計に携わったことのある高木さんは原子力資料室を立ち上げて、市民の立場に立って原発に反対していました。高木さんの出前講座で、高木さんの目の前で話を聞いた私は、高木さんの危惧の言葉が頭から離れませんでした。だから、私は3か月前の12月12日付け新聞に掲載された原子力発電のPRも見過ごせませんでした。

  12月12日の朝日新聞の広告ページで、原発に賛成しない人間は科学音痴のような対談を交わしていた石原良純(俳優、気象予報士)、浅沼徳子東海大准教授は今どんな気持ちでおられるでしょうか。
 原子力発電を推進してきた人たち、民主党原発容認に政策転換した経緯はどうなのか、後で知りたい。

次に、昨年12月12日付け朝日新聞に掲載された財団法人日本原子力文化振興財団 の広告(対談)の抜粋を載せます。図書館で全部読まれた方がベストですが。

「日本の四季を守り、暮らしを支えるエネルギーとは?」 

東海大准教授 浅沼徳子さん、俳優・気象予報士石原良純さんが対談形式で、地球温暖化を例に、燃料のリサイクルが未来のエネルギーの鍵 と、原子力発電に理解を求めるPRをしている。

浅沼徳子さん 「現在の便利で豊かな暮らしを、産業革命以前に戻すことは現実的ではありません」。

石原良純 俳優・気象予報士「以前、1年ほど冷暖房なしで暮らしたことがあるのですが、冬は家にいられたものじゃないし、夏は眠れない。こんな暮らしをしていたら早死にすると思いました(笑)」。

 原子力発電は発電時にCO2を出さないし、使い終わった燃料の95〜97パーセントを再利用できる。エネルギーが安定して供給できるので、資源枯渇問題の解決にもつながる。科学技術が明るい未来につながるかどうかは人間しだい。だからこそ私たち一人ひとりが科学技術のことをしっかり理解する必要があります。
 というものでした。

 原発に賛成しないと科学オンチみたいな言い方だ。電気を浪費する生活環境、産業構造になってしまった以上、今すぐ原発を無くせといっても無理とは思うが、でもね。
 地震列島である日本で原発を作り続けることの危険。原発に通常のミサイルなり爆弾が打ち込まれれば、原子爆弾と同じ被害が想定される。燃料のリサイクルというが、核の廃棄物は貯まる一方で行き場がない。原発被爆にさらされながら、清掃作業に携わる非正規労働者の問題。
 これだけ見ても、原発がクリーンでエコであるはずがない。命の危険にさらされてまで、ぴかぴかネオンが見たいか。
 原発を推進する前に、もっとやるべきことがあるんじゃないの。  これは12月12日付けブログの私のコメント