みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

福島産のトマト

 テレビで福島の農家が収穫を控えたハウス栽培のトマトを出荷できないことを嘆いていた。あのみずみずしいおいしそうなトマトをどうか私に売ってください。トマトを洗って皮を湯剥きして、サラダにしていただきましょう。食べきれない分はトマトピューレやケチャップにします。ふるさと茨城県の野菜も県南部や野菜の種類によっては、洗って茹でればどうってことない。妊婦、赤ちゃんはともかく、私みたいに買いたいという人間はいるはず。それからテレビでいばらき県をいばらぎと発音するのはやめてほしい。(ぎ)ではなく(き)である。

 原発関係報道はNHKよりも民放の方がわかりやすい。その違いはNHKは解説する原子力専門家が東大教授ばかりで、奥歯にものが挟まった言い方で何が問題なのかわからない。その点民放は東大以外の専門家を用いている。こちらの方がわかりやすい。昨日の夕方は宮崎駿監督が福島原発の事故に献身的に立ち向かう消防、自衛隊員を誇りに思うと言葉を詰まらせ、涙していた。「風の谷のナウシカ」を作った宮崎監督の胸中は・・・。

 その後、消防や自衛隊員も行かない原発内部に原子力安全委員会の所長(?)が入る映像を見た。現場の職員や作業員がどういう状態で働いているのかがわかった。床に雑魚寝、一人1枚の毛布と一日2食の食事で、暗闇の中で交代もままならず限界状態で働いていたことを知り、声を上げて泣いてしまった。この人たちはおそらく使命感で働いている人ばかりではあるまい。上から言われ、内心渋々原発に入った人、断ったらこの先働かせてもらえないと家族を養うために仕方なく従事している人もいるだろう。

 防衛庁が撮影した福島第一原発を真上から撮影した内部のアップを見て言葉を失う。進むもならず退くもならず福島原発事故の深刻な状況があらわになった。それでもなお、既存原発津波対策を強化して乗り切るという動きが活発だ。米英と戦って勝つ見込みはないとみなわかっているのに、開戦以外にないと戦争に突入した時代と変わらない。これは宮台氏もツイッターに書いていた。

 25日の朝まで生テレビでは浜岡原発が地元である片岡さつきさんが、浜岡原発では20m(?)の津波防御壁を作るという。原発がないと経済成長は望めない。日本の経済は今や一流ではないのです。と彼女は原子力エネルギー推進の立場で危機感をあらわにしている。この日の朝生のメンバーは原発に反対の立場の科学者や政治家は見えなかった。内閣の一員である大塚厚生副大臣はこの原発事故を受けて、エネルギー政策の見直しが必要だといっていたが。
  津波対策は早急にしないといけないが、それで原発の危険がなくなるわけはないだろう。原発は人間が制御しきれないものだと良心的な科学者グループ(京都大学の原子炉実験の科学者たち)は述べている。

 技術、技術というが、要は誰が高い濃度の放射性物質のある原発内部に入り、ケーブルを引いたり、溢れる水を処理するかだ。日常的に被爆覚悟の作業員を必要とし、ひとたび今回のような事故が起きると、決死の犠牲者を必要とする。おそらく熟練した技術者が何百人か詰めて作業すれば、事態は大きく前進するかも知れない。自分はやらずに人にやらせて、それでも原発を必要とするか。友人は計画停電原発を認めさせる東京電力の陰謀なのではないかという。そういう見方もあるかと思わず笑ってしまった。