みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

暑いから汗を出せ

 団地の一斉清掃日。朝8時、顔なじみと「昨日の蒸し暑さよりましね」と話しながら草むしりしていたら、男の人から、うちのスダレの下の方がほぐれ、庭に落ちていると注意された。ベランダの下に行ってみたら、たしかに葦が何本か落ちている。教えてもらってよかった。掃除が済んでから麻糸で簡単に修理する。

 NHKの日曜討論を見たら、各党が拍子抜けするほど脱原発に変わっていた。立ち上がれ日本は原発推進を変えないそうだ。むしろあっぱれというべきか。脱原発の温度差はあれ、福島第一原発事故により原発はコストの面で引き合わないことが明白になったことが大きいと思う。原発に見切りをつけて、再生エネルギーに転換するのはいいけど、なんか素直に喜べないものがある。

 原発廃炉するにしても、後始末と管理に莫大なお金がかかる。被災地、被災者の復興、生活再建もある。高齢社会、若者の雇用や社会保障の問題・・・いずれ増税は避けられない。
 今まで原発を推進してきた党が、「エネルギー資源のない日本にとって、経済成長のために原発は必要だった」とさらりと総括して通りいっぺんの謝罪で手打ちされたら、尻拭いさせられる納税者としたら、そりゃないでしょう。

 電力会社をめぐる利権構造、ものを言えない空気と安全神話を作ってきた原子力ムラといわれる共同体の病根は、東京電力だけではなく日本全体に蔓延していると思う。
 私は介護保険制度発足時から介護保険業界で働いてきた。小泉首相当時、社会保障費の圧縮が始まり、今まで介護用ベットや車イスを1割負担でレンタルしていた利用者を、要介護度で線引きし、軽度者から取り上げることが決まった。
 要介護度を決める認定調査に訪問した時、男性の利用者から、「こういう悪法をいつの間にだれが決めたのか。あなたたちは介護の専門家で、現場の事情が分かっていながら、おかみの手先になっている。利用者の立場に立ち、厚労省に要望するのが介護の専門職の仕事じゃないのか」と詰問されたことが忘れられない。
 まったくその通りなのだが、介護支援専門員の仕事の量が多く、目の前の事務作業や利用者の調整に追われ、疑問を感じながらも制度の不備やおかしさにまで頭が回らないのが実情だ。
 それでも私は厚労省のアンケートやパブリックコメントの募集にさいしては、問題点を書いて発信し、周囲のケアマネにも声掛けしてきたが、そこまでやる人は少数だった。悪名高い福祉用具貸し剥がしは、国会でも問題になり少しは緩和されたが、ややこしい手続きと書類が増えた。
 制度の欠陥や不備を一番理解しているのは現場で利用者と向き合う専門職なのである。これは介護業界だけではなく、どの分野でも同じだと思う。高齢者が増え、社会保障費は増える一方だ。医療や介護の費用のムダについては、単純でわかりやすい制度にし、透明性を確保すれば抑制できると思う。厚労省は現場を知らない学者や有識者を集めて介護保険制度の骨格を作り、見直しを行っている。無駄なものは何か、本当に必要で効果があるもの、削ってはならないものは何か、現場を知る専門家が介護保険制度に意見をいえるようでありたい。民主党の事業仕訳もそこまで広がりを持たせられるか期待したのだが。