みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

読書三昧

最近読んだ本
・『死を語り生を思う』五木寛之小川洋子瀬戸内寂聴横尾忠則多田富雄との対談集。
・『日本人は何を捨ててきたのか』思想家鶴見俊輔の肉声 関川夏生
・『蒲生邸事件』宮部みゆき

 上の2冊は今年の夏に、3・11以後を意識して編さん出版されたもの。
 わからないもの、未知なことは知りたい。それが死ならばなおのこと。ところがいくら語っても、読んでもこれだけはわからないまま。

 
 鶴見対関川の対話はすんなり入れた。思想界の、というか人生の大先輩に聞いておきたいこと、鶴見氏の遺言みたいなものか。
 敵対するものの顔に似てくる という項目で、転向について関川がいってる「昭和29年から昭和37年まで行われた膨大な研究が、それほど切実だったという臨場感、それが理解できないんですね」。が、私がぼんやりと感じていたことと同じだった。戦後すぐの小説などを読んでいると転向という問題にぶつかるのだが、そんなに大したことなのか。確固とした思想がない読者の私には理解できなかった。その違和感はある意味でまっとうだったわけだ。
 結びは鶴見俊輔のいう「敗北力」。今回の原子炉事故に、日本人はどれほどの敗北力をもって対することができるのか。これは、日本文明の蹉跌だけではなく、世界文明の蹉跌につながるという想像力を、日本の知識人はもつことができるか。それを受けて関川夏生は、日本の「知識人」というより日本の「普通の人々」あるいは「知識的大衆」は、その真価を世界史の最先端で問われている。
〈う〜ん。なるほど〉 ※蹉跌 つまづくという意味
 

 『蒲生邸事件』、宮部みゆきの本は初めて読んだが、頭の体操になりおもしろかった。

  何はなくとも読書三昧できる時間があり幸せ。