みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 暑くても食欲

kawanomiti2011-09-18

 今、秋茄子のぬか漬けがうまい。ゴーヤのカーテンには今年もお世話になった。ゴーヤの調理法を沖縄在住30年の妹に聞いたら、「卵とじか、かき揚かな」といっていた。ゴーヤチャンプルーは有名だが、沖縄生まれでない人間には食べにくい。
 私の暑い時の手抜き料理、ゴーヤの卵とじ。ゴーヤを縦に2つに切り、種とワタを取る。ゴーヤを5ミリくらいの厚さにスライス、水につける。ザルにとって小どんぶりに入れる。オリーブ油か胡麻油を数滴、塩コショウし、ざっと混ぜて電子レンジで軽くチンする。それに溶き卵をかけて再度加熱、卵が半熟くらいがおいしい。火を使わずあっという間に出来上がり。そのまま食卓に出せ、あとかたづけも簡単。彩りもきれい。(写真) ぜひお試しを。
 夏も終わりになる頃はゴーヤの実が小さくなる。中には捨ててしまうか、落ちるにまかせる人もいるが、もったいない。ゴーヤの実を丸ごとスライス、種もワタも一緒にザルで干してゴーヤ茶にしましょう。晴天なら2日ほどでからからになり、青臭さが抜ける。夏バテによいし、抗酸化作用と血糖値を下げる効能がある。


 昨日読み終えた本、津村節子著『紅梅』 
 吉村昭の転移癌との壮絶な闘い、それを支える妻として、同業者としての苦悩。作家の妻だけでも大変だと思うのに、夫婦で作家というのは気苦労なことだな。滅び行く者への寄り添うような目線、三陸の大津波関東大震災についても詳細に書いていた吉村昭、もっと生きていてほしかった。


 今日読んだのは、『二宮金次郎の人生と思想』二宮康裕著 私のおじいさんが二宮金次郎みたいな人だったので、二宮金次郎に興味がある。
 戦前全国の小学校に石像が立てられ、軍国主義に利用された印象が強いが、この本を読んで二宮金次郎の考え方は現代にこそ必要と思った。
 最近NHKの番組で、生活保護の受給者が増大し、全国で3兆何千万円にのぼるという危機的状況を放映していた。生活保護費よりも最低賃金の方が低いこともあり、一度生活保護を受けると働くのがいやになるという。
 私が最近まで仕事で担当していた一人暮らしの婆様も生活保護受給者だった。朝から焼酎を飲み、タバコの煙でむせる部屋、ガラクタの家具に囲まれて暮らしていた。生きていても仕方がないというが、そういいながら医者にしょっちゅう掛かっていた。生活保護受給者は医療費も介護保険の利用料も無料だ。
 婆様に大地震が来るかもしれないから、部屋いっぱい置いてある箪笥を整理して減らすよう勧めたが捨てるのは嫌、「死んでもいいのよ」という。「あなたはそれでよくても、箪笥の下敷きになったら消防士が助けなくてはならない。そのために消防士が命を落とすことだってあるんだから」と、そこまでいったが、たぶんまだ捨てていないだろう。
 さて、生活保護は戦後すぐに法律ができたが、まだ一度も制度は改正されていないそうだ。以前厚労省生活保護制度について、パブリックコメントをインターネットで募集していたので、自分の仕事の範囲内で感じた矛盾を書いて送信した。

 二宮金次郎は困窮農村の財政立て直しの仕法を行い、生活困窮者の支援を行ったが、けっしてバラマキはしなかった。一時的な施与を「破桶に水を入れるが如し」と効果がないものとして否定した。藩主を筆頭に藩士、村役人、村民が一つになり主体的努力、自力更生、助け合いをするという覚悟を求めた。やる気のない村や藩からは頼まれても仕法を断った。大地震津波、飢饉を乗り越えた江戸時代に、現代に通用するヒントを見いだせそう。