みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

穏やかな年の瀬に

  買い物の途中で、知人から「原発都民投票」を実現させるための条例制定を求める署名を頼まれた。印鑑の持ち合わせがなかったが母印でOKというので署名した。
  この運動への関心は低く、署名数もなかなか集まらないようだ。食物や地域の放射線汚染には神経をとがらせても、イルミネーションの電飾は相変わらずだし、周囲の人たちは原発の存続についても関心なさそう。

  我が鉄筋長屋の廊下を歩くと、牛蒡を煮る匂いが漂ってきて、年の瀬らしいなとほっとした。
  今年を振り返ってみるに、私的にはそんなに悪い年ではなかった。これも被災地や原発からある程度離れているから言えることだけど。人間には、私には試練が必要だ。ベルトコンベヤーに乗って降りられない状態だったのが、天変地異が起きたことで、立ち止まって考えざるをえなくなった。生活をそぎ落とし、見逃がしていたことに気づく契機にもなった。

アルミパネル組み立て式ソーラークッキングで、毎日何かしら調理している。寒波で震えていようが、雲一つない晴天であれば機嫌よく応えてくれる。
 どういう食材、調理法ならうまくいくかわかってきた。今のところ成功しているのは、じゃがいも、さつま芋、カボチャ、2時間くらいでホックリ出来上がる。取り出す時はやけどしそうに熱い。電子レンジよりもおいしい。失敗したのはゆで卵、加熱し過ぎて超固ゆでになってしまった。いろいろ工夫しながらロビンソンクルーソー的生活が楽しい。


 12月27日22:00〜 NHKスペシャル「原発事故 謎は解明されたのか」
 事故調査・検証委員会の中間報告が発表された。委員長は畑村洋太郎氏、委員柳田邦男氏

 委員長が失敗学の専門家なので期待していた。なるほどと目からウロコ・・・
 避難訓練がきちんとされていれば被害は少なくてすんだのではないかと思っていたが、そうではなかった。
 魂の入っていない形だけの避難訓練を何回やっても役に立たない。前提である想定が違っているのだから。メルトダウンに至るミスは習熟度不足というよりシステムへの認識不足。現場も責任者も、だれもシステムを理解していなかったという恐るべき事実。

 複雑で解りにくい原発の事故なのに、ストンと腹に落ちる説明だった。
 100年後の検証に耐えられる事故調査報告を作るという委員長畑村氏の穏やかな話し方に好感が持てた。ただ、電源喪失の原因が津波なのか、地震なのか、そこがまだ疑問だ。

 東京電力は電気料金を大幅値上げするというが、その前に歴代の幹部や責任者が管理職手当を含む、高額の報酬を返還して年金も人並みの額にしてからにしてほしい。