みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 東電OL殺人事件を巡って

 少し前になるが、東電の電気料金値上げについてパブリックコメント募集していたので書いて出した。あれだけの事故を起こし、日本だけでなく世界中に迷惑をかけ、普通の会社であれば倒産して路頭に迷うところだ。それを料金値上げをして大企業並みの年収を確保するなんて、ボーナスや退職金をもらえない層からすればとんでもない話。歴代トップ・幹部だって賠償責任があると思う。最後に、原発現場で働くスタッフや作業員の待遇、労働条件は改善して。と書いた。

 電力会社の株主の頭の中はどうなっているのだろう。福島第二原発では核燃料がどろどろで、廃炉の道筋もつかない怖い状況。今後も懸念される大地震津波が起きれば、東京も壊滅だというのに再稼働をあきらめない。目先の経済性でそこまで突っ張るか。


 最近友達とお喋りしていて、何かのきっかけで佐野眞一著『東電OL殺人事件』の話になった。私はだいぶ前に読んで、内容をほとんど忘れてしまっている。佐野眞一が丹念に取材や調査を積み重ねても、なぜ東電OLが会社が引けた後に街娼をするようになったのかわからない。
 5、6年前になるか、代官山の特別養護老人ホームを訪問するために神泉駅で降りた。略図を頼りに歩いているうちに、円山町という住所表示が目についた。そこであの東電OLが街娼していた町なんだと気がついた。渋谷に近く、大使館などがある代官山の間に位置する不思議な場所。昼間のせいか住所表示がなけれが見逃してしまいそうな普通の町に見えた。

 「あれは依存症というか、病気だね」と男友達はいう。「やめられないということは依存症かも」と私は軽い調子で合わせたが、後になって単なるセックス依存症とはちょっと違うのではないかと思いはじめた。彼女は東電OLであることに誇りを持ちながらも、おそらく埋められない何かを抱えていた。彼女が探していたものは円山町で見つかったのだろうか。
 彼女の行動が理解でき、共感する女性は少なくないはずだ。ただ、行動に移すには殺人や犯罪に巻き込まれる危険などリスクが大き過ぎる。彼女がポンと乗り越えるまでの心の軌跡を知りたい。