みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 河野太郎ライブトーク 原発ゼロ

 昨日ベランダからきれいな夕焼けが見えた。この虹色の雲の下を駅まで歩こうと急いだが、秋の夕暮れは釣瓶落としというが瞬時に消えた。
 夜の7時から下北沢のライブハウスで、河野太郎トークライブ「何が原発ゼロを妨げているか」。ゲストが古賀茂明、飯田哲也金子勝という豪華メンバー、場所が下北沢とあれば行かずばなるまい。下北沢で一緒だった元同僚を誘い久しぶりのシモキタ。

 会場のライブハウスSELTERは狭いので驚く。50人定員のところ立ち見まで出る盛況で、イスの座面がお尻の半分しかない。身動きが取れない悲惨な環境。
 休憩をはさみ19時から22時過ぎまでやったが、河野太郎さんの明快なテンポの司会進行のせいか疲れを感じずに時間が過ぎた。民主党脱原発ゼロが骨抜きになり、原発推進自民党経団連や推進側の応援で政権与党に返り咲きしそうな危機的状況、現状はどうなっているのか。

 まず前半で退席する古賀さんの発言から。「大阪府市エネルギー戦略会議」が、大阪府から「違法の疑いがある」として、「9月17日の会議を中止する」といきなり通告され、突然休止に追い込まれた。大阪の脱原発エネルギー政策が揺らいでいることに危機感を持っている。福島第一の事故を見て、橋下さんは「もういやだ、原発は。あんなのを推進するなんて信じられない」といった。それが大飯原発再稼働で関西電力や推進側から圧力を受けてから、事実上の容認へと折れたが、我々に連絡がなかった。今勢いのある維新の会が脱原発で行くのか、容認で行くのかは情勢にとって重要と、現在立てなおしに必死とのこと。
 金子勝さんは原子力委員会 新大綱策定会議の委員だったが、毎日新聞に秘密会議を暴露したことが契機になり、新大綱策定会議が近藤委員長により解任・廃止に追い込まれた。20何人いるメンバーの中で脱原発は4人のみだった。金子さんは原発は電力会社の不良債権問題であると喝破する。青森県六ケ所村再処理工場の日本原燃の会計はメチャメチャ経営体質が非常に悪いという。
 飯田さんは古賀さんとニュアンスが少し異なり、橋下氏の原発政策は関西広域連合の「万が一停電したら」という脅しに屈し半歩後退したといいい、まだ希望を託している。
 停電か再稼働かの脅しは、猛暑の夏でも電力が足りたことで、今度は値上げか再稼働かに切り替えた。そもそも企業が電力を自家発電などに切り替え、節電できたことで原発10基分節電できた。電力は足りている。日本の原発の安全基準は国際水準と比べ低くデタラメ、安全基準をきちんとやれば2年かかる。そして安全審査となるとさらに時間がかかる。大部分の原発は再稼働できない。その間に飯田さんは保険をかけさせるというコスト面、核のゴミの総量規制等から、再稼働をどうするか国民的熟議することを提案する。古賀さんは、経団連原発は安全だと言ってるのだから保険をかけさせたらいいと。(笑)
 原発経産省の管轄で環境省の大気汚染、水質汚染規制の適用外。いかに日本はごまかしが多いか。文部科学省は教育関係というイメージがあるが、実際は科学技術関係の部門が原子力ムラとして経産省に劣らず機能している。スピーディの情報隠しの例など、文科省にも原子力ムラがあったとは。それにしても「原発ゼロ四人衆」それぞれの立場から内情を知らされると日本という国のいい加減さ、民主主義に程遠いことに愕然とする。

 私は手と頭の回転が遅いため、約3時間のライブトークをメモることは無理。だがこの「原発ゼロ四人衆」の密度の濃いトークを少しでも記憶に留めたいとペンを走らせた。どこまで伝えられたか、四人衆に怒られそう。最後に司会者の河野太郎さんが「今回の自民党総裁選では推薦人がいなくて立候補できなかった。三年後には総裁になります」と宣言し、拍手と笑いが起こる。金子さんは「自分は打たれ強い。負けない」と会場に向かって宣言する。絶望的な状況なのにユーモアがあり、元気と勇気をもらった。忙しい中やりくりして駆けつけた三人のゲストに感謝をこめて惜しみない拍手が送られた。
 夜外出するのは本当に久しぶり、家に着いたのは深夜になった。