みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 猛暑の夏が過ぎて、糠漬けの茄子も色よくついて食事はおいしい。遅咲きの我がベランダの金木犀の一枝を机に置いて、つかの間の晩秋をたのしんでいた。ところが、また厭なニュースが目に入ってしまった。


 旧東京市による米国への桜寄贈100周年を記念し、米国から日本に贈られるハナミズキの発送を祝う式典が22日、首都ワシントン市内で開かれた。出席した国務省のズムワルト副次官補は、東日本大震災の被災地である東北地方も植樹先に挙げられているとし、「ハナミズキが友好だけでなく復興のシンボルになることを願っている」と述べた。
 ズムワルト氏は「東北地方の復興は住民の忍耐力のたまものに他ならない」と称賛。同席した藤崎一郎駐米大使は「多くの人に希望を与える実に素晴らしい贈り物を考えていただいた」と応じた。
 今回米国を出発したのは、寄贈予定の計3000本の第1陣139本で、うち100本が11月16日に東京・代々木公園に植樹される。残りは2015年までの間に日本各地に植えられる。

 
 この件については前にも書いたが、いよいよ来ちゃうのね。街路樹の植栽については流行があり、ハナミズキは今から10数年前くらいに爆発的流行があったのである。というより一見オシャレな花で管理しやすいということで自治体で画一的に植えてしまったのである。
 当時、武蔵野の自然を取り戻すを合言葉にまちづくりを提案し、住民参加の公園づくりを進めていた一人としては腹に据えかねて役所に文句を言いに行った。農大でまちづくりや植栽が専門の蓑茂教授だったと思うが、朝日新聞に、ハナミズキばかりの街路樹は画一的でおかしいという記事を発表してくれたので、少し溜飲を下げた。そのはなみずきも最近は街路樹としてはすたれはじめたところだった。
 多摩川に鮭の稚魚を放流するイベントとか絵になりやすいせいか、マスコミは美談として取り上げるが、鮭はもともと多摩川には生息していなかった。私は生態系の専門家でもないが、善意や美談、はたまた無神経さによって、地理風土にあった植栽や生物がつくるその土地らしさが失われることは我慢がならない。数本ならまだしも何千本も苗木を贈る場合は、贈る方も、貰う方も生態系のこととか、その土地が大切にしてきたふるさとの自然や生態系を破壊しかねないということに留意してほしい。