みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 やはり花粉症

 先月、掛かりつけの漢方医から花粉症対策として小竜青湯の服用を勧められた。「今仕事していないし、花粉が飛来しそうな日は外出しませんから」と気が進まなかったが、一週間分もらっておいた。3月7日脳動脈瘤の手術の説明を聞きに行き、長時間屋外移動した。マスクをしていたが、その夜からのど、目のふち、耳の中までかゆみが広がり、頭はぼーっとして眠くなる。鼻うがいをして、まずい小竜青湯飲んで少しは楽になった。黄砂(PM2・5)と花粉の合体した飛来物恐るべし。
 病院の待ち時間を利用し、読書が進んだ。中西昭雄著
『シベリア文学論序説』
 シベリアという土地はなぜか気になる場所だ。ドストエフスキーチェーホフを少し読んだり、ソルジェニツインの『イワンデニーソビィチの一日』という本をおもしろく読んだ記憶がある。
 それと戦後の日本人抑留者。介護保険制度がスタートした今から10数年前は、男の要介護者というと兵隊として外地に行ってる人がほとんど。都内だから女性は聞いてみるとほとんど空襲を体験していた。という具合で、仕事の対象者が歴史の生き証人ばかり、毎日が宝の山を分け入っていくような幸福の時間があった。(当然仕事だからいいことばかりではないのはいうまでもない)
『シベリア文学論序説』を読み、そのうちの一人、80代の男性を思い出した。訪問するといつもテーブルの上に黒い表紙のロシア語の辞書が置いてあった。何かの拍子にロシア語が飛び出し、「スパイだ!」と口走ることがあった。アル中に認知症が混じり、家族は手を焼いていた。私のリクエストに応えたぶんロシア語だったと思うが「ステンカラージン」の唄をよく通る声で歌ってくれた。彼は召集されて中国に行き、ロシア語を習わされた。日本敗戦と同時に、ロシア語が話せる者はそれだけの理由で逮捕されシベリア行きとなる。厳寒のシベリアで食べ物も十分に与えられない強制労働がいかに過酷でつらいものだったかは少しは知っていたつもりだった。
 しかしこの本を読むと、極限の現実は想像を超えるものだった。この本はタイトルにあるように抑留者の過酷な体験を知らせるのが狙いではない。シベリア抑留に関係した著名な文学者の著書を、その時代的、政治的背景を踏まえて、シベリア抑留が与えたものを書いている。あ、頭が朦朧、この本の感想はここまでにして花粉症が落ち着いてから、また書き直そう。


昨夜はNHKで福島原発事故についての特集番組が2つあったので、それを見るために午睡して備える(笑)。午後9時を過ぎると睡魔に襲われるので。
NHKスペシャル 3.11 あの日から2年
 メルトダウン
原子炉"冷却"の死角

 なるほど、原発事故直後は混乱していて錯綜する情報の整理もできない。事故から2年が経過してここまで詳細に検証できたということなのね。
 とにかく日本の原発は安全だと見栄を切り、思考停止したまま、安全対策も緊急事態に備える訓練もしていなかった以上、こうなるのは仕方がなかった。あの時点でこうして置けば防げたと後で言ったところで、だれも原子炉の構造や仕組みがわかっていないのだから、できるわけないよね。と変に納得。
 はたして政治家や閣僚はこの番組を見ているのだろうか。見てなお安全な原発から再稼働しますと言うとしたら、ホラー映画より怖い日本の現状と未来。この番組についてどれだけの人が書いているかツイッターチェックしたら、猪瀬直樹氏だけが見ており、この番組を見るのをおすすめしますと書いている。IOCの幹部がこの番組見たら、2020年のオリンピック日本招致は困難になるでしょうね。猪瀬氏は新自由主義的なところとかアンバランスな人だが、目が離せない。
 この後、Eテレで、報告書を出して解散した事故調査委員会のメンバーが、その後も福島の現地に通い、報告書で書けなかったことや、やり残したことを独自に調査し形にしようとしている動きを追うドキュメンタリーも見た。