みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

ネットで言論

 津田メルマガ81号が届いた。巻頭文に津田っちが最近ショックを受けて落ち込んだことが書いてあり、とてもリアルに共感できた。わかるわかるという感じ。

 津田さんが定期検診を受けに行き、主治医から雑談として、「いやね。僕は全然わかんないんだけど、最近奥さんからよく言われるんですよ。この前の大阪の生野で通り魔事件があったじゃないですかあれをマスコミが全然報道していない。マスコミってやっぱり在日韓国人在日朝鮮人がからむニュースは全然報道しないんですか?」と聞かれ、俺の中からまったく言葉が出なかった。自分のふがいなさに対して果てしなくやるせない気持ちになりました。というもの。 (短くまとめさせていただいた)

 医師とその妻というのはいわゆるネトウヨとは異なる富裕層で、いろいろな情報に接することが可能なはずなのにね。津田さんはITを駆使して、言論の現場で活躍している人間だが、私は誤解と偏見だらけの俗世間の中にいる人間なので、日本の大多数はそんなものだと思っている。
 この前の都知事選の時、再出馬を石原氏が迷っていた時期、職場の60代前半の女性の同僚が「石原さんを応援したい。私あの人の発言聞いているとよく言ってくれたとスカッとする。大フアンなの。」といった。彼女は仕事をバリバリこなし、しょっちゅう夫婦で海外に旅行する人だ。あ然として津田さん同様ショックを受けたが、職場で政治的な議論をすると、仕事に支障をきたすので異議を申すことはできなかった。
 石原氏の暴言・差別発言はきりがないが、「男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を産む力はない。そんな人間が、きんさん、ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だって…。なるほどとは思うけど、政治家としてはいえないわね」 
という問題発言を彼女は知らないに違いない。そういう石原氏の暴言に対しては、新聞、テレビは民主党の閣僚の失言ほどに叩くこともしなかった。
 田中優子さんがそんな暴言を吐く石原氏が再選されるわけはないと書いているのを見た時、大学教授というのは世間一般の空気とは異なる所にいるのだなと思った。そういう高い場所から発せられるリベラルな言葉は残念ながら大多数の日本人には伝わらない。

 昨日も総理大臣にしたい人間の電話調査をした結果が、一位が安部、二位石破、三位小泉進次郎、四位橋下…。をネットで見た。6月の調査でこれだ。逃げ出せるものなら海外移住でもしたい心境。

 でも津田さんは最後に、このように締めくくった。(以下引用)
 ネットユーザーのプライバシーや匿名性、言論の自由を守るために活動をしている世界最大のアクティビズムNPOなのですが、そのMairaさんに「ネットの匿名性と、匿名性を傘にして名誉毀損やデマ、中傷を繰り広げる人の被害は、どこでバランスするのがいいのか?」って質問をしたんですね。
 Mairaさんはその問いに対して「後者の被害が大きいことはわかるが、言論の問題は言論で解決するしかない。たとえ中傷やデマの書き込みを規制するとしたときに、基準を誰がどのように作るのか。基準ができたとして、それはいずれ個人に対する中傷だけでなく、政府や企業に対する批判のツイートなどにも簡単に応用可能だ。情報で生じた被害は規制で対処するのではなく、情報で回復していくしかない」と明快に答えてくださいました。
              以上引用終り

 小さな点でもつながれば大きな輪になる。インターネットには負の面とともに、そういう可能性があることを津田さんたちの世代が示している。
 津田さんのメルマガ『メディアの現場』の購読を他の世代にもおすすめしたい。月にコーヒー代一杯の値段で、新聞テレビで得られない最新情報を得られる。津田さんのメルマガを見ているうちに他のメルマガにも興味がわくはず。
 ついでに津田さんやIT世代にお願いしたいことは、IT用語がわからないので、わかる日本語をなるべく使ってね。カネとヒマのある団塊の世代を応援団に引き込むために。(笑)