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こう暑いと、うちに居られたもんじゃない。映画館に涼みに行くことにした。
見逃した「アンナ・ハーレント」が池袋新文芸坐で上映中。20代の頃よく文芸坐に通ったものだった。
池袋駅周辺の町並みは変わっても、新文芸坐の周囲は相変わらず、ストリップやら怪しげな店の看板がひしめいている。
日曜日のせいか、上映時間の20分前に着いたのに、行列ができていた。やっと隅の座席を確保する。
政治哲学者の女性が主人公なので、2時間弱の上映時間に付いていけなくて寝ちゃうかも、と思っていたらとんでもない。
アンナは聡明だけではなく美しく魅力的な女性。演じた女優が素晴らしいこともあるが、実在のアンナもそうだったようだ。
アイヒマンの裁判を傍聴し、事実を正直に新聞に書いたために、ユダヤ人社会から排斥され、ユダヤ人の友人も失うことになる。
アイヒマンの裁判のフイルムが効果的に挿入され、思考を停止した官僚の「悪の凡庸さ」が目に焼き付く仕掛け。2時間の映画が短く感じられた。
もっと映画の背景やら知りたくて、いつもは買わないパンフレットを買ったが、これも行列ができていた。
マルガレーテ監督(女性)の他の映画も見たくなった。なお「アンナ・ハーレント」は、ビデオレンタル店で聞いたら、5日頃からDVDやCDがレンタル開始になるそうだ。
今という時代のために作られた映画、見逃した方は是非ご覧になって。
帰宅してから、録画しておいたETV特集「ルポ 原発作業員2」事故から3年、それぞれの選択」をみる。
汚染水処理、廃炉に向けた作業とこの暑さの中、毎日3000員の作業員が福島第一原発内で働いている。その6割が地元の人だ。
政府が原発事故についてパブリック・コメントを募集した時、原発作業員の待遇・賃金の改善を必ず書いてきた。
東電が日当を上げても、元請け、上部の下請けと降りてきて、実際に現場で働く下請け作業員の所には微々たるほどしか廻っていないということに驚く。
何ていい加減なんだろう。東電はそこまでチェックしていないし、できないとのこと。
電気料金の値上げも、作業員の待遇改善につながるならば我慢するが、許せない。
これでは作業員離れ、廃炉に向けての人材の確保が危うい。政府の無責任さにも呆れた。