みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 柄にもなくサイエンス

 つくば市にある国土地理院の、夏休み企画展「地図で見つけた私が知らない私の街」。終わる2日前に行く。
 つくばエクスプレスで、終点のつくばセンターで降りる。朝は雨模様だったが、雲の間からブル―の筑波山が見えた。そこから下妻行きのバスに乗ったが、後でサイエンス・バスに乗った方が便利と教わる。
  国土地理院は広々とした緑の中にあった。まず日本列島空中散歩マップの体験(この展示は常設)。ロビーに描かれた日本列島の大きな地形の上を歩いてみる。次は青と赤の眼鏡を交互にかけて歩くと、日本列島と近海の地形が立体的に浮かび上がる。テレビニュースで広島の土砂災害を見ている時に、何であんな危険な場所に家を建て、住宅地が出来てしまうのだろうと不思議に思った。広島は地形的に山が海側に迫っていて、平地が少ない。というより日本列島を縦に背骨のように尾根が走り、その両側に張りついたわずかな平地に住宅地や工場や、畑などがひしめいているのがわかる。
 ただ関東平野だけはダントツに平らで広い。ここに江戸幕府を開き、戦国時代を終わらせ、東京の繁栄の基礎を築いた徳川家康は頭の良い人だったに違いない。たぶん猿飛佐助の漫画か読み物の刷り込みのせいか、昔は家康は憎々しげな狸オヤジのイメージがあったっけ。
 東北から関東にかけての海底を走る裂け目、日本海溝。その先に続く伊豆・小笠原海溝が不気味だ。ハワイ島が毎年6センチ日本に近づいているという表示、普段は見えない海底の胎動を想像する。
 次のお目当ては、100年の関東平野の原風景の移り変わりの展示。祖母が明治の終わりに東京に出た時の風景や渡し舟の場所を探したが、そこまではわからなかった。パソコンが何台か置いてあり、小学生の子供たちがパソコンを操作して、昔と今の合わせ地図や貴重な資料を検索しているのを見て、その環境が羨ましかった。

 各自治体でハザードマップや防災情報を作っている。役所のロビーなど目に付く場所に立体的な地形図を展示すれば、自分の住む土地の成り立ちや実情がよくわかり、防災への備えに役に立つのではないか。
 筑波山の裾野はいつの間にか、サイエンスやテクノロジーなど知の集合地となっていた。筑波大学図書館や公文書館にも行きたかったが、国土地理院からのバスの便がないので断念。レンタサイクルがあれば、一日で何か所も回れる範囲に公的な施設があり、一般公開しているのにもったいない。つくば学園街には外国人による美味しいパン店や料理の店などもあるらしい。サイエンスだけではなく、美味しい物が食べられ、農水産物などの直売店があったら、東京から近いユニークな観光スポットになるのにな。娘や友人たちを誘い、また行ってみたい。