みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 映画「沖縄うりずんの雨」

 一昨日岩波ホールで、沖縄長編ドキュメンタリー映画沖縄「うりずんの雨」をみた。
 辺野古の海が目の前に広がる。コバルトブルーのこの美しい海が広範囲に埋め立てられ、新たに軍事基地が作られようとしている。映画は沖縄戦の米軍側の記録映像・資料をまじえて、占領後の沖縄のたどった歴史的いきさつを見せる。ナレーションがアメリカ人らしい男性の日本語なのが新鮮。アメリカの視点と沖縄の戦争を体験した世代、戦争を知らない世代から取材しているので、今の沖縄の置かれた現実がよくわかった。沖縄は太平洋戦争で勝利したアメリカの戦利品であり、日本に復帰したとはいえ、状況は今も変わっていないということが。
 米軍にとっては日本の思いやり予算で広大な基地が維持され、戦場の兵士にとって、治外法権である沖縄の基地は、つかの間の休息のためのなくてはならないパラダイスの場となっていた。
沖縄の基地問題は、沖縄の人たちに犠牲を強いるのではなく、日本の国民、アメリカの国民の問題であり、責任があるというメッセージを映画から感じた。
 映画が終わった後に、突然アナウンスがあり映画監督のジャン・ユンカーマンさんが現れ、挨拶があった。アメリカ人として、映画監督として長い時間日本という国、沖縄に向かいあってきた人の言葉が自然に胸に響く。
 安倍政権の安保法案で沖縄の基地の恒久化、住民の危険度は増すだろう。自民党の勉強会でこの映画の上映会を企画してほしいものだ。岩波ホールでの上映は7月31日まで。

 電車の中で、上映までの待ち時間に『atプラス 16』を読む。「日米関係の正体」孫崎亨+白井聡のところで、沖縄を含めた領土問題の真実にめまいが起きそう。近現代史を学校で学ばずにきた私にとって、カイロ宣言など寝耳に水。これでは日本とアメリカや中国、ロシアと、話が噛みあわないのも無理はない。