みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

なぜ巨悪は表に出ないの

ツィッターで、今日は元民主党議員石井紘基氏の17年目の命日であることを知る。

2002年10月25日午前10時半、民主党の石井紘基議員は世田谷区の自宅駐車場で男に刺殺された。といっても当時の私は石井氏のことは名前さえ知らなかった。

2000年に介護保険制度がスタートし、私はケアマネージャーとして世田谷区で働いていた。2002年10月25日、代沢1丁目の一人暮らしの高齢者を訪問し、仕事を終えて事業所に戻るために池ノ上駅方向に向かって歩いていた。頭上にヘリコプターの爆音がして、静かな住宅街の道路がわさわさしはじめ、カメラを担いだ記者が走ってきた。家の前に顔見知りの民生委員の女性が立っていたので、何があったのかを聞いた。

石井議員の家の前には警察関係者らしい人が見え、ロープが張られていた。犯人は逃げ、おそらく凶器を持っているということなので、駅に向かう道にもロープが張られていた。私は囲われたロープを持ち上げ、かかんで外に出た。通りかかった福祉用具のレンタル事業所の社長が車を止め、「こんなところにいたら危ないから早く帰った方がいいよ。まだ犯人が捕まっていないから」と声をかけてきた。

 石井紘基氏は国会議員として、既得権やお金がらみの巨悪の闇に挑んでいたという。日本がひっくり返るような案件とは何だったのか。事件当日石井氏がいつも手放さない手帳とカバンの中から調査資料が消えていたという。その後石井紘基の名前を見ることもなく、忘れられた印象がある。石井氏が生命をかけて挑んだ闇とは何だったのか。

関西電力の闇献金問題が明るみに出たが、それもうやむやになりそう。新経産大臣が選挙区の有権者に数万円の供与をしたことが問題になり辞任が決まったようだが、日本では巨悪はなかなか表に出ないのだな。