みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

常総市文化協会報

 

茨城県常総市の様々な文化芸術分野の団体が加盟する常総市文化協会。そこから『常総市文化協会報』22号が送られてきた。事務局は常総市教育委員会生涯学習課で、広報誌と一緒に配布される。硬軟取り併せた内容で幅広い人たちが書いていて、おもしろく読ませていただいた。この冊子を片手に、大正期から昭和の大戦をはさんで水海道界隈で活躍した文化人たちと風見章の交遊と足跡をたどりながら歩いてみたいと思う。

 3ページ下段「著書紹介」欄に拙著『なぜ祖父は学校長を辞めたのか』が紹介されている。筆者の小林正明さんは増田実氏の娘さんのお連れ合い、元新聞記者と聞いた。この件とは別に編集者の報告によると、県教育委員会の方が「・・・郷土史としての高い価値に感銘を受けた」と、まとめて拙著を購入されたとのこと。教育委員会とは上意下達の融通のきかない組織という先入観があったが、伏して認識を変えねば。

 個人出版のため、出版社から新聞広告を勧められたが、百万円という広告費を出すことは無理。でもいつかは何かの折に人々の目に止まることもあるだろうと信じていた。拙著の重要な登場人物である小貫芳郎氏、増田実氏、お二人とも故人になられたが、縁のある方たちが拙著を周囲に広げてくださっていることに感謝。

 この『常総市文化協会報』は表紙が白黒印刷で地味だ。よほど文学好きな人しか手に取らないのではないかと内心思っていた。だいぶ日にちが過ぎてから、口伝いに知った身内が祖父母に教わったという人や小中学校の同級生から電話が入る。ペンネームなので、私の本名を確かめながら、「どうしたら本が買えるの?」。

 中学校を卒業して半世紀以上たっているのに、他の同級生にも宣伝するからと口々にいう。同窓会に一度も出ない私に、今度は来るよねと。なんでこんなに優しいのだろうと胸がいっぱいになる。 町に一軒しかない本屋さんに℡し、拙著を置いてくれるようにお願いする。