みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

じしゅく疲れと野川公園

   じしゅく疲れ ・・・


コロナウィルス緊急事態宣言のせいか、通りを歩く人の姿が少ない。

しかし通勤電車とパチンコ店は満員状態らしい。スーパーではレジに並ぶ客を1メートル空けて並ばせていた。

店の入り口に店員が立ち、店の混雑状況を見ながら入場規制をしており、間隔を空けて人が並んでいる。

 上の階に越してきた40歳くらいの男性、ドスン、ドスンと何かを落とすような音を立てる。注意する人に対して暴力的な態度を取るというので、みんなじっとこらえている。

「三密」自粛が大事なことはわかるが、家にもこもっていると、心も身体もおかしくなりそう。仲の良い家族ばかりではない。邸宅ならともかく、狭い家だと家族が2メートル離れて暮らすのも大変だろう。 

   野川公園へ   

4月15日、前日の強風もおさまり、おだやかな散歩日和。シャベルと軍手を袋に、マスクをポケットに入れ、電動自転車で野川に向かう。

三鷹市を流れる野川に行くのは何年ぶりだろう。三鷹市大沢で国分寺崖線の湧き水を利用し、ワサビ(山葵)田を作っていた箕輪家。https://www.city.mitaka.lg.jp/koho/2018/20181007/01.pdf

今から30年くらい前、野川公園の帰りに寄り、ワサビや白いカラーの花を買ったものだ。

先代の箕輪さんは、国分寺や小金井の「野川に清流を取り戻す」活動している市民団体と交流し、野川の環境保全に取り組んでいた。ワサビの生育のために日々の湧き水の水量を把握しておられた。カラーの花は今も咲いているが、箕輪家の稲田と古民家はすでに無くなり自然観察園になっていた。

         

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  三鷹市を流れる野川    

さらに野川上流に進み、短いトンネルを抜けると野川公園だ。

公園全体が淡い新緑に覆われている。外出自粛と平日のためか、公園内も人の姿はまばら。オトーサンと幼児、老夫婦、若いカップルも少しいるが、全体に静かな落ち着きの中にあった。

せせらぎの音と小鳥のさえずりがかすかに聞こえるのみ。春の光の下、新緑のシャワーを浴びている気分。

       

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        野川公園
     

公園の帰りに野川の土手でノビルを見つけた。シャベルで掘ろうとしたが土が硬くて入らない。自転車で通りかかった年配の男性が笑顔で「とれるか」と声をかけてきた。

「ここは人が通って踏み固められているからとれないだろ」という。たしかに。

それでもせっかくのノビル、あきらめるわけにはいかない。

 

川辺で小学校低学年とみえる男の子、幼稚園くらいの女の子が遊んでいる。

土手のベンチにはオカーサン。・・・じしゅく疲れ? 単にアウトドアが好きなだけかも・・・。

人が少ないのでマスクをしていなかったが、ポケットから出してかける。親子にノビルを見せたい。

 ベンチのオカーサンに採ったノビルを見せ、縄文時代からご先祖さまが食べてきた野草であることなど簡単に話した。「ツクシは採って食べたけど、ノビルを見るのは初めて」とオカーサン。

兄妹が寄ってきて食い入るように聞いていたかと思うと、さっそくノビルを探し始めた。

拾った木片で掘ろうとするので、途中で折れてしまう。オカーサンが土手の上から「道具を持ってこないと無理よ」といっている。

帰り際に袋からノビルを取り出し、オカーサンに調理前の処理の説明をして、少しお裾分けした。たぶんこの小さな賢そうな目の兄妹とオカーサンは、コロナとの長期戦を有効に過ごすことのできる人たちだろう。なごり惜しいが「接触感染」にならないよう、お別れした。

「三密」自粛時に、人が少ない野川公園のすばらしさを満喫できた。

すてきな親子連れとの短い会話に元気をもらった。見えないコロナウィルの底知れない不気味さ。早く収束してほしいのは山々だが、コロナウィルスのおかげで得たもの、気づかされたことが多々ある。世界がコロナウイルスに試されている。