これって あおり運転?
爺さまの畑へ
緊急事態宣言が解除になった途端、道路に車があふれた。新しいデザインの新車が目につく。
バスや電車の三密を避けるために、マイカー通勤が増えているのだろうか。
歩道は歩行者と自転車がひしめきあい、その間を車イスが遠慮がちに通る。
外出自粛中は道路が空いていて気分よかったな。自粛も悪いことばかりではなかった。
電動自転車で八十才の爺さまの畑に野菜を買いに行く。
爺さまの庭先販売は何でも百円なので、すぐに売り切れてしまう。
棚をのぞいたらミョウガと新生姜と葱があったので買い、そばのお金入れに三百円入れる。
爺さまは腰痛があるので、畑仕事が大変のよう。
それでも近所の幼稚園や保育園などに畑を解放し、芋掘りなどをさせている。
園児や親子らが収穫するのを、畑の端に座って眺めている爺さま。
都会では相続が発生すれば農地は消える。いつまでこの風景が続くかわからないが、そうなっても畑と爺さまのことを忘れることはないだろう。
これってあおり運転?
畑を後に住宅地の道を自転車で、郵便局に向かって走る。このあたりは道路工事が途切れずに行われているので、走りにくい。
後ろから走ってきた軽トラックが、不自然に寄せてきたと思ったら、いきなり私の自転車の前に。危ないぶつかる!
ちょうど左に道があったので、とっさにハンドルを左に切る。
私の電動自転車は重く小回りがきかないので、バランスを崩しやすい。
自転車と共に倒れると起き上がる事も難しい。衝突を回避できて胸をなで下ろす。
もしかしてこれって、ニュースでよく見る あおり運転?
でも電動自転車に乗っているおばさんにするか。
ストレス解消したい気分はわからないでもないが、自分より弱い立場の者にはけ口ぶつけてしまうとしたらかなしい。