みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

まさかの アポ電詐欺 その1

 

    アポ電詐欺って?

        

                 

防犯用品を見に行かなくちゃ。ホームセンタ―に急ぐ道、ふとなつかしい香りに顔を上げる。いつのまにか金木犀が咲く季節になっていた。道端に目を向けるとクリーム色や赤の彼岸花が。詐欺電話ではじまったドタバタに翻弄されているうちに、秋はしずかに深まっていた。

           f:id:kawanomiti:20211004120555j:plain

 

2021年9月X日 午前10時半  

 

一本の電話

 

曇や雨の日が続いたあと、やっと晴れ間がのぞいた。たまった洗濯物を洗濯機に放りこんで廻しはじめた時、固定電話がなる。うさんくさい不要品買い取り電話が増えているので、ふだんは留守電にして、相手が名のってから受話器を取るようにしている。

 

最近インターネットで知った電気代を節約できるという製品を購入したら、詐欺だった。はじめ日本語で書いてあったのが、購入をクリックしたとたん、英文に変わり、キャンセルできない仕組みになっていた。高額な商品ではなかったが、悔しいので消費生活者センターに相談の電話を入れていた。

 

ふだん電話は留守電にしてあり、相手が名乗ってから出ることにしているが、消費生活者センターからの電話と思い、すぐに受話器を取った。

若い男の声は、銀行協会の△△と名乗った。私の名前を確認した上で、「あなたの名前の偽造カードを使日本橋日本橋△△デパートで20万円の買い物をした人がいます」と言う。

驚きのあまり胸が高鳴り「デパートで買い物をしたおぼえはないです。私の預金通帳からその買い物が引き落とされないようにしてもらえませんか」とたのんだ。

電気代を節約するという詐欺商品に騙されたことを話し、消費生活者センターに相談していると言うと、若者はさわやかな声で「自分もお金を払ったのに、品物が届かないことが5回もあります」といった。

銀行協会の人だったら、20万円を引き落とされないようにしてくれるかも知れない。聞かれるままに住所や預金通帳の番号、暗唱番号などの個人情報を答えてしまった。

 

さすがに頭のどこかで「ヤバイよ」という危険信号は出ていたはずだが、預金残高を聞かれると通帳の預金残高を読み上げた。国民平均貯蓄高の半分にも満たない金額なのに。

男は「システムに入力しますので、いったん電話を切ります。30分したらまた電話します」と言った。男の声が受話器から消えたとたん、私の頭の中が冷静になった。

「銀行協会の人って、あんな親しげな話し方をするかな」

 

すぐもよりの銀行に「こういう電話がかかってきたのだけど」と電話をした。すると男性職員が「それは詐欺だからすぐ警察に電話して」と強い調子でいった。

あわてて警察署に電話すると、防犯の担当に代わり、「個人情報話しちゃったのか。今からすぐに警官2人で行くので、荷物をまとめて置いて」と切迫した声でいった。

                                 (つづく)