みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

『菊と葵のものがたり』

『菊と葵のものがたり』高松宮喜久子著 読む。
おもしろかった。高松宮妃喜久子は徳川最後の将軍慶喜の孫である。というわけで茨城県出身の私は親近感を持っていた。晩年、テレビの番組でインタビューに答えているのを見たが、皇族ながらのびのびと言いたい事をいい、凛とした姿に好感を持った。
昭和5年、新婚の高松宮と喜久子妃は14ヵ月かけて公式のヨーロッパ歴訪の旅に出る。喜久子妃はその時18歳、若くものおじしないプリンセスの目でみたヨーロッパの皇室の描写が楽しい。イギリスでは当時4歳の現エリザベス女王に会っている。

喜久子妃が故高松宮の遺した戦前戦中の日記を宮内庁の反対を押し切り、発刊した功績は大きい。昭和天皇との意見の相違が書いてあるため、意見を求めた靖国神社宮司は即座に世に出してはいけません。「お日記はご火中に」つまり焼けといった。

私はまだ高松宮日記は読んでいないが、この本を読んだら、読みたくなった。『高松宮日記』は開戦から終戦の決断に至るまでの貴重な第一級の資料ということである。高松宮細川護貞は東条首相の暗殺の相談までしていたそうだ。