やっと静かに
先月仕立てたぬか床がちょうどよくなった。カブとキュウリ、エシャレットがうまい。自分で食べるのがもったいなくて、つい人に食べさせたくなる。
本当はぬかみそはフルーティな香りがするのだという漬物名人の記事を読んだ。たしかにうっとりするくらいさわやかな香りだ。これが、いつの間にかぬかみそ臭くなってしまうのはなぜか。この香りを持続させるには?
今は一日2回かきまぜているが、仕事が急がしかったり、気分が乗らなくてついさぼるようになる。それから、水が出て、ぬかを足したりいじっているうちに、味も香りも悪くなる。そうだ、ぬか床を口に含み、塩加減をおぼえておこう。
BS2で「皇居吹上御苑の四季」をやっていた。皇居の森といわれるが、そこには昔なつかしいふるさとの森があった。
浦島草、敦盛草は私が高校生くらいまでは実家の裏にも自生していた。両親が退職し、雑木林を手入れするようになったら、消滅してしまった。雑草を愛した昭和天皇だからこそ都心なのに、ホタルの舞う森を残せたのだろう。
昨年皇居前広場に行った時、黒松がたくさんあり、深い緑が美しかった。赤松ではなく、なぜ黒松ばかりなのか不思議に思った。
この番組で、昔は皇居のそばまで入り江が迫っていたこと。海辺に多い黒松がそのまま残ったのだろうといっていた。
夜になってやっと選挙の宣伝カーの騒音が治まった。やれやれ。
都知事選挙の後くらいに、オーマイニュースに吉岡忍さんの文が載った。
「暴力や武力の行使と表裏一体をなす「美しい国」 その理念に共感するなら、どうぞご勝手に」
安部政権の下で国民投票法が通り、やがて改憲、憲法9条が変えられ、アメリカと組んで戦争ができる国になるだろう。というところから・・・ (略) ー詳細はオーマイニュースでどうぞー
そうして、やがて、あなたや、あなたの家族・友人知人が死体で、あるいは手や足、知能や感覚をなくして、この美しい国にもどってくることになる(私はアメリカで、そういう場面に何度か出くわした)。
また美しい国は、アメリカのお追従者と嘲笑され、地域経済統合のおじゃま虫と嫌われ(私はアジア各地で、各界の人がそう言って顔をしかめるのを見た)、何をやるにも日本抜きでやろうぜと陰口をたたかれる(私はEUの高官がそう語るのを聞いた)ことになるやもしれぬ。
そうなってほしくない、と私は思う。思うけれども、いまの日本の、いらいらしながらますます閉じていく風潮をかいま見ていれば、いずれそうなるだろう、とも思う。
そして、そうなっても、私は関知しない。責任を負うつもりなど、私にはない。まったくない。
責任は挙げて、美しい国なる理念になだれ込んでいくあなた方にある。そのことを、どうぞくれぐれもお忘れなきよう。
私? 私はそこらの石にでも腰をおろし、没してゆく夕陽の、まばゆいばかりの美しさを存分に楽しむつもりであります。
(ノンフイクション作家)
書いてあることに共感してしまった。彼とはほぼ同世代であり、考え方に違和感がない。