みち草

2004年からはてなぶろぐを書いています。このぶろぐでは日常の身辺雑記中心に書きます。

 また雷

 最近、農協(JA)の野菜直販店や農家の庭先販売で若い男性や女性の買い物客を見かけるようになった。震災数か月後の頃、自転車できた30才位の女性が葉生姜を一束買い、「これは葉を食べるのですか、どこを食べるのですか」と聞かれた時は驚き、可笑しかった。   まー若い人たちが野菜を食するようになり、地元の農家の野菜に関心を持つのは良いことだ。
 いつも寄る農家の庭先で、といっても都内の農家であるから立派な門構えの資産家風だが、そのオバチャンのところでは売る側買う側で料理法の情報交換が始まる。野菜を買うと「どう料理する?」と聞かれる。なかには「そんな料理の仕方をするなら、うちで買ってくれなくてもいい」といわれた人がいた。そのオバチャンのいう通りに作ると確かにおいしく出来る。大きめのカブを買った時、千枚漬けにするというと「どう切る?」ときた。やや緊張して「スライサーで横に」と答えたら「だったら、茎を落とさずに10?位残して、そこを持ってやれば手を切らないよ」と教えてくれた。おかげで手を切ることもなくなりありがたい助言だった。野菜も流行りすたりがあり、今は空芯菜ブームだ。言われたように、葉を取り、茎から炒めると手間はかかるがおいしくできる。彼女は持病を抱え食事制限をしている体だが、客と料理法の掛け合いをしながら販売するのが生活の張りになっている。

 この数日連続で南海トラフ・首都直下大地震の被害想定見直しと防災の特集番組が続いた。3・11以後踏み込んで最大の被害想定予測を出すようになった。そして一つ一つ解決してゆけば、これだけ被害は減ると具体的に数字で示す。石巻の小学校の災害から命を守る授業は良い取組で、子どもたちから学ぶことが多かった。年に一度の防災の日だけでなく、各自治体の取り組みや防災の進捗状況をテレビが伝えてほしい。国民もあきらめおまかせになりがちだが、持って行き方によっては隠れた力を発揮できる。今日もテレビでは竹島尖閣列島問題が画面を賑わしているが、震災から命と生活を守り被害を少なくするための地道な報道を継続的に進めてもらいたいものだ。


☆最近読んでおもしろかった本
 福山哲朗著『原発危機 官邸からの証言』ちくま新書 http://www.chikumashobo.co.jp/author/004343/  原発関係はもう脳が疲労気味でいいよ、という感じだったが、読み始めたらどきどきはらはら一気に読めた。3・11直後から官邸内では正確な情報がない中、まったなしのぎりぎりの状況で対応せざるを得なかったことがよくわかった。原子力の番人であるべき保安院原子力委員が「日本の原発は安全」と必要な危機管理体制を取っていなかったのだから、専門家が正確な情報を知りえず判断ができない中で、官邸が混乱するのは当然である。
 保守的な田舎の母が、「菅さんばかり叩かれてるけど、誰がやってもおんなじじゃないの」と電話でいってたが、それほど「菅叩き」は凄まじかった。ある会合で福島原発事故の深刻さが話題になった時「あら、菅さんがいけなかったんじゃないの」と無邪気にいう人がいた。読売か産経新聞、その系列の情報しか見てないのだろうと即座に思ったものだ。菅首相を含め、民主党政権はたしかに稚拙な部分はあったかもしれないが、一生懸命やったことで、隠されていた部分がよりあらわになった。これが自民党政権だったら予定調和的にごまかし続けたまま、脱原発に舵を切ることができたかどうか。

 「雷三日」というが今日も雷が鳴り出した。電源を切らなくては。